行政機関の効率的な情報発信方法とは
小石川消防署(東京消防庁)
突然ですが、最近このようなニュースが報道されたのをご存じでしょうか。
「防衛省がインフルエンサーに接触し、現在の厳しい安全保障環境について説明」
初耳の方にとっては何のことやらピンと来ないかもしれません。
分かりやすく表現すると
「防衛省がメディア上で影響力を持つインフルエンサーという人物達(情報番組やニュースの出演者、有名ユーチューバー等)に接触し、現在の安全保障環境について説明。そして彼らに広報してもらうことで世論を動かして省の予算を増やそうと計画している」
ということです。(くわしくは「防衛省_インフルエンサー_接触」で検索)
このニュースの一番のポイントは国民に向けた情報発信を防衛省関係者(役人)で行おうとせず、メディアで影響力を持つインフルエンサーに代行させようとしていることです。
現在はユーチューブやツイッター、インスタグラム等あらゆるSNSが広報媒体として使用されている中、なぜ防衛省はそれらを使って自身で広報しようとしなかったのでしょうか。
その答えは「情報をただ発信しているだけでは受け取る人が限られてくる」からです。
詳しい解説は過去記事の
「下の資料から傾向を読み取り、行政機関が発信する情報を都民に広く周知するための効果的な方法を考え、具体的に述べなさい。」
の中で述べているのですが、仮に行政機関がSNSを使って広報を行ったとしても対象者となる人々へと届くとは言い切れないと考えられます。
理由としては記事中では資料を省略しているため具体的に示せないのですが、
19歳までの子供世代はインターネットを娯楽目的
に使っており、
65歳以上の高齢者はインターネットの使用率が低い
データが出ているからです。
このことから考察し、娯楽目的でインターネットを使う子供たちがわざわざ行政機関について検索し情報を調べるとは考えづらく、また高齢者にはそもそもインターネットを使った広報が届かないリスクが想定できるということです。
よって行政機関がより多くの人々に広報をしようとするのであれば、今回の防衛省が行ったように有名なインフルエンサーに依頼をするべきだと私は考えています。
有名なユーチューバー達であれば子供たちの目にも留まる機会が増え、有名な情報番組の出演者であれば高齢者にとっても情報が伝わりやすくなるということです。
ただ、今回の計画で防衛省が批判を浴びたのは省の予算アップが広報の目的であったからです。目的にお金を絡めてしまうのは行政機関らしくなく、世間の不安をあおっていると捉えられてもやむを得ないかと思っています。
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