インターネットの普及が社会にもたらすメリットとデメリットをあげ、あなたの考えを述べよ

2017年7月23日日曜日
屈折放水搭車 新宿LP(東京消防庁 新宿消防署)

東京消防庁H20年度2回目

「インターネットの普及が社会にもたらすメリットとデメリットをあげ、あなたの考えを述べよ」

の例文です。時間がある方は解説編もどうぞ。

<例文>
 現在、インターネット上にはYoutubeやニコニコ動画等の動画共有サイトやLine、
twitter等のソーシャルネットワークサービス、2ちゃんねる等、様々なサービスが展開されている。インターネットの普及に伴い、これらのサービスも個人の生活や企業の広報、PR等の活動に深く根付いてきた。ここまで人々の暮らしにインターネットが浸透したのは即時的な情報拡散という特徴があったからだと私は考えている。インターネットは確かに便利なものであるが、その特徴ゆえ社会に対しメリットとデメリット両面の性質を持ち合わせている。
 
 
メリットとしてあげられるのは、個人が世間に向けて才能を披露できること、そして企業等が世間に対して広く広報、PRできることである。前者のメリットが見受けられるのは動画共有サイトである。このサイトに個人が趣味で歌ったものやオリジナル曲をのせた動画を投稿することが流行っており、この動画が視聴者から絶大な人気を得ることで動画投稿者がCDアーティストデビューするケースがある。そして後者のケースで成功した事例が鎌倉市である。鎌倉市は観光用掲示板を市内10か所に設置するための費用約100万円をクラウドファンディングと呼ばれるネット上の募金箱を通じて寄付を募った。すると3週間の間に100名から寄付があり目標である100万円に到達したのである。両者の成功に共通していることは、発信した情報が不特定多数の人々から支持され見返りを受けることができた点である。
 

 デメリットとしてあげられるのは、匿名性ゆえいつ誰が公開した情報を見ているか分からない点、そして一度公開してしまった情報を完全に削除するのは困難な点である。この例として愛知県に在住するある男性のケースがある。この男性は自宅周辺にて通行人に絡み、付きまとう過激な動画を何本もyoutubeに投稿していた。しかしその動画に映る風景や商店の名前から男性の住所がユーザーによって特定されてしまった。そしてその住所や電話番号もが2ちゃんねるなどを通じて拡散されてしまい、それ以降毎日のように男性宅に嫌がらせやいたずらがなされるようになってしまった事例である。
 

 インターネットはメリットもある反面デメリットも持ち合わせている。そのため、インターネットを使う際は上記のメリット事例のように自分や社会にとってもプラスになるような使い方を心掛けていかなければならない。私としてはインターネットをうまく使うためには、常に不特定多数の他人から見られている意識を持つことが大切だと考えている。特に社会人になった際に、仮にデメリット事例で見たような事態に陥った場合個人の問題に止まらず、所属する会社にまで被害が及ぶケースも十分考えられる。インターネットを適切に、正しく使う能力を表すネットリテラシーという造語がある。私はこのネットリテラシーに基づき、社会人になった後にも適切なインターネット使用をもって便利な生活を送る一手段としたい。(1199字)



<解説編>
●ポイント1:構成

構成としては、
第1段落にて導入、社会におけるインターネットの普及具合を述べる
第2段落にてメリットの具体例
第3段落にてデメリットの具体例
第4段落でまとめ、自分の意見

の構成となっています。


●ポイント2:消防に絡めるべきか?
どちらでもよいです。
問題文に「消防官としてどう対応すべきか」、「消防行政としてどのように対応すべきか」等といった文言がない限り必ずしも消防に絡める必要はありません。それよりも大事なのは問題文で聞かれていることに対して直球で答えることです。(今回の場合はインターネットのメリット、デメリット及び自分の考えの3つです。この3つを分かりやすく書ければ合格点がもらえるといっても過言ではありません)


●ポイント3:SNSに起因する企業の不祥事
本文内では記述できなかったのですが、twitterやfacebookへの従業員による悪ふざけ投稿が炎上してしまい企業が謝罪する事態にまで発展してしまったケースがあります。

このようなケースにおいて非があるのは従業員でしょうか、それとも従業員を管理監督できなかった店側でしょうか?

私は従業員に非があると思います。このような悪ふざけは完全に仲間内でやるならまだしも、インターネット上に載せることで閲覧した不特定多数の人が不快に感じるものです。投稿した従業員は心底面白いと思っていてもそれを見た他人がどう思うかまでは想像できなかったのが原因と考えています。

そしてこの一連のSNSを起因とした不祥事を教訓とし、アルバイトを含めた従業員にきちんと会社の人間の一人であるという自覚と意識を持たせるよう管理、研修を行っていくことがこれからの企業の責任(コンプライアンス)の一つになりうると思います。また、このような流れは民間企業だけの問題ではなく消防本部をはじめとした行政機関においても求められるでしょう。


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