あなたがこれまで行ってきた自己啓発について述べ、それを消防官としてどのように活かすか述べなさい

2017年7月23日日曜日
指揮統制車 小川SC(小平消防署 小川出張所)

東京消防庁H20年度Ⅱ類
「あなたがこれまで行ってきた自己啓発について述べ、それを消防官としてどのように活かすか述べなさい」

の回答例です。時間がある方は解説編もどうぞ。


<例文編>
 私が行ってきた自己啓発は英語の学習である。私はtoeicの勉強をしており、
現在は640点を取得している。目標としては来年度中旬までに日常会話には全く問題ないレベルである750点取得を目指している。そもそも私がtoeicの学習を始めたのは、駅員のアルバイトを行っていたからである。業務内容としてはホームの安全監視や券売機前での案内であるが、稀に外国人の方に切符の購入法や電車の乗り換え、駅周辺の地理案内を行うことがある。その際にスムーズなご案内をする上で英語力が欠かせないのである。
 
 
私がアルバイトを始めて約2か月経過したある日、観光客と思われる外国人の方に電車の乗り換えについてご質問を受けた。当時、全く英語ができなかった私はその案内をするのに約2分かかってしまった。日本語で案内をすれば10秒かからないでご案内できたものであっただけに私はひどく悔しい思いをした。それをきっかけとして私は英語の勉強を始め、toeicを受験しようと思うに至った。toeicを初めて受験した際は430点しか取れなかった。しかしそれ以降は1日に1時間を目安にコンスタントに学習を進めることで、受験を重ねるごとに点数も上昇した。そして4回目の受験にて640点を取得できたのである。その効果もあり、1週間程前に業務中再び外国人の方に切符の購入について案内する機会があったが、その際約30秒で相手にも納得してもらえるご案内をすることができた。初めて外国人の方にご案内をした際戸惑っていた時とは違う、成長した自分を実感することができた。
 
 私はこの英語力を消防官として外国人対応の際活かしていきたい。東京都には羽田空港や各国大使館、浅草を始めとした観光地等外国人の方が集まる場所が多く存在する。また東京は2020年にはオリンピック、パラリンピックの開催が決定している。このように今後一層の期待が海外から寄せられる東京において私は将来、英語救急隊の隊員として外国人も含めた救急対応にあたりたいと考えている。そのためにもポンプ隊に配属され、仮にPA連携で外国人が関わる救急事案に出場した際は、英語力をもって迅速な救急対応の一助となりたい。
 
 また、現場活動以外でも消防士として外国人の方とかかわる機会はある。例えば麻布消防署では外国人向けに英語による救命講習を行なったり、インターナショナルスクールの児童達を見学に受け入れている。また、昨年オーストラリア大使館に対し本庁が救命講習受講優良証を交付し応急救護施設認定を行った。このような現場活動以外における外国人とのかかわりにおいても私は消防士の一人として英語力をもってコミュニケーションをとることで東京消防庁へ信頼感や安心感を抱いてもらえるよう努めたい。(1107字)
 
<解説編>
構成についてはタイトルにあるようにまず
「あなたが行ってきた自己啓発」

を述べ、そして
「消防士としてどのように活かしたいか」

を書けばOKです。回りくどくならないよう直球で答えていきましょう。それを踏まえたうえで、以下からポイントを見ていきます。

ポイント1:自己啓発とは
自己啓発とは、

自己をより高い段階へ上昇させようとすることである。「より高い能力」、「より大きい成功」、「より充実した生き方」、「より優れた人格」などの獲得を目指す

活動のことです(ウィキペディアより)。その活動を行っていく上で必要となるのが目標です。

何か達成したい目標があったとして自分には今何が足りないのか、足りないものを補うためには何をしなければならないのかを考えるのが自己啓発をする出発点となります。向上心と捉えてもいいでしょう。

本文においては
「外国人の方に案内をするのに手こずった」ことに悔しさ

を覚え、「英会話能力をつける」という目標の下「toeicの勉強をしている」という一連の流れが読み取れます。

自己啓発について述べる際はこのように「ooにおいて自分の能力不足を感じ、それを克服するために□□という目標を設定、現在は△△という取組を行っている」と記述していくのがベストです。注意する点としてなるべく詳しく、成長過程も含めて記述(アピール)しましょう。


豆知識

英語対応救急隊
平成26年4月1日から「英語対応救急隊」という外国人対応もできる救急隊が8署に13隊配置、運用されています

※麻布消防署の外国人対応:こちらのページの上段および中段付近に外国人向けの救命講習実施やオーストラリアの女性消防官による視察、インターナショナルスクールの児童たちの見学についての記事があります。

※本庁によるオーストラリア大使館の応急救護施設認定
オーストラリア大使館は応急救護への取り組みが認められ、日本の大使館としては初めて東京消防庁から認定を受けました。

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