2018年横浜市消防(大卒程度):災害時と平時2つの側面を持つ消防業務において普段からどのように仕事に取り組むべきかあなたの考えを述べよ。
正式な論題
消防職員は階級により職務が明確になっており、上司の指示や命令に従いながら業務を遂行します。一方、自らの考えを上司と意見交換し、業務を進めることが必要とされる場面もあります。
このような側面を持つ消防業務において横浜市職員としてどのように仕事に取り組むべきかあなたの考えを述べなさい。
の解答、解説記事になります。
まずはヒント編を読み、自分で論文を書く練習をしてみましょう。(※横浜市消防の試験問題のため、「横浜市職員として」と指示があります。しかし今回はなるべく多くの方の参考にするため「消防職員として」と置き換え、消防士としてどのように仕事に取り組むべきかという視点で論述していきます。)
1:論題分析
論題が長く一見わかりづらいですが、要は災害現場での指揮命令系統が確立された場面と訓練を含めた平時のオフィス業務がある消防という仕事について自分はどのように取り組んでいくのかということです。
そこで考えなければならないのは災害現場での業務と平時の業務でそれぞれ求められているものは何かということです。
ご存知かと思いますが、災害現場では要救助者の命がかかっています。そのため上からの指揮命令に対して部下が提案や相談をしている時間は無く、その命令に基づいて迅速に仕事を行う必要があります。ここに災害現場で求められているもののヒントがあります。
一方、平時のオフィス業務においては訓練やその振り返り、事務作業やミーティングなど上司や周囲と意見を出し合いながら仕事を行う場面が多々あります。そのような場面であればより良い提案や相談が重要になってくることが想像できます。
消防署の管轄地域にもよるでしょうが、災害出動よりも待機時間にオフィス業務を行っている時間の方が圧倒的に長いはずです。そこでこの時間を使い、現場で命令を下す立場になる上司とどのように仕事をしていくかにこの論題を解答するにあたってのヒントがあるように思います。
2:構成・練習
1を踏まえた構成としては
➀論題の大前提「消防士としてどのように仕事に取り組むか」への回答(50字程度)
②―1災害現場での指揮命令の下に仕事をする上で重要なもの。(100字程度)
②―2上を踏まえ現場業務よりも長いオフィス業務中にどのように上司と関わり、仕事をしていくか。(100字程度)
③②で考えたことを裏付ける理由や実体験等があれば。
(100字程度)
④まとめ、決意など(50字程度)
となります。
<解答例>
災害時と平時2つの側面を持つ消防業務において、私は平時から報告連絡相談を意識し上司と信頼関係を作りながら仕事に取り組むべきだと考える。災害現場での業務は指揮命令系統に沿った迅速な仕事が重要であり、その指揮命令を信頼するには上司との信頼関係が重要になってくる。ただ、このような信頼関係は一朝一夕で醸成されるものではなく、平時から報告連絡相談を通じたコミュニケーションを素に作っていく必要があると考えているからだ。
よって私は平時において上司から仕事を任された際にはこまめに報告や連絡を行うことで上司と情報の共有を図りながら進めていくことを心掛けたい。また、イレギュラーや改善点が発見されれば些細なことであってもすぐに相談することで不祥事やミスの予防にもつながってくる。このように平時からこまめに報告連絡相談を意識しながら仕事に取り組むことで上司との信頼関係が構築されていく。そしていかなる災害現場でもその信頼関係を素にした指揮命令であれば部下たちは任された業務に専念できると私は考える。
私が上記のように考えるのはある焼き肉屋に客として訪れた時の経験が上げられる。私は焼肉定食を頼もうとしたが肉の量が足りないと思い、定食と焼肉の単品を注文した。オーダーを受け取りバックヤードに向かった店員が約30秒後に戻ってくるなり、定食のラージサイズを注文した方が量はほぼ変わらず200円ほど安くなると提案をされた。店としては客の注文どおりに食事を提供するのが仕事であるが、私はこのとっさの相談にこの店員に対して信頼感が生まれたのを今でもはっきりと覚えている。
消防に限らず、組織に属する以上仕事は上司の命令や指示が重要な意思決定となりうる場合もある。しかし状況によっては自分で考え、どんなに些細なことでもより良い提案や改善があれば積極的に上司に報告連絡相談を実行していくべきである。このような小さな積み重ねが結果として部下と上司の信頼関係につながり、消防の場合は危険な現場での指揮命令の確立に役立つと私は考える。
1:構成
構成としては
1段落
・消防職員としての仕事への取り組み方(報告連絡相談を意識し上司と信頼関係)
・災害現場では指揮命令が絶対。上司と信頼関係があれば命令にも信頼感がでる。
2段落
・信頼感を作っていくためには平時のオフィス業務で報告連絡相談。細かい点でも提案や改善を行ってみることで上司との信頼関係を構築する。
3段落
・報連相が信頼感をもたらす理由を焼き肉屋での実体験から。
4段落
まとめ
2:報連相が信頼感をもたらす理由―真剣に仕事に取り組む姿―
本文3段落目で上げた焼き肉屋での実体験ですが、ここから浮かび上がってくるのは
「店員が顧客のために真剣に仕事をしている姿」
です。
本文にも記されている通り、料理店の仕事は客の注文通りに食事を提供することです。
しかしこの焼き肉屋の店員は私の「焼肉定食+焼肉単品という注文」から私の心の内にあった「肉が足りない」という気持ちを察し、あえて別のメニューを提案しに来たのだと思われます。おそらくアルバイトの方だと思いますが、決められた時間中ただ言われた通りに仕事をするのでなく本当に客にとって必要なものは何か考えながら仕事をしている印象を受けました。
やはりそういった方からはこちらからも信頼感が生まれますし、実際やっている方も他人に貢献できている実感が生まれ気分がいいはずです。
このような積み重ねが組織において上司と部下の間で積もっていくことで信頼関係が生まれていきます。
そして本文にあるように現場でも平時でも共にいい仕事パートナーとして業務に打ち込めると私は考えています。
※当ブログ過去記事においてこの焼き肉屋の例を取り上げたトピックがあります。時間のある方は是非参考にしてみてください。↓↓↓
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