【無料】文章理解チャレンジその4ー少子高齢化の防災対策編ー
オリジナル文章理解(東消式)の第4弾です。おまけで漢字問題も用意していますので是非挑戦してみてください。
少子高齢化に対する消防行政の対策について述べられた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(制限時間4分)
少子高齢化が進むことによる地域の安全への影響としては2つある。1つは高齢化が進むことによる要援護者や災害弱者の増加である。2つ目は少子化が進むことで災害時に要援護者を支えるべき若者が少なくなることだ。このように、少子高齢化の進展は火災や地震等災害時において高齢者をいかにして守るのかという問題につながってくる。
ただ、高齢者といっても自力で生活できる方もいれば、持病等のハンデを持ち、介護なしでは生活できない方もいる。この場合、例えば火災において逃げ遅れとなりやすいのは後者のほうであり、彼らを特に要援護者として想定しなければならない。具体的対策として町内会においては近隣住民に対し要援護者がいることの情報共有を行い、災害時には声掛けや救出等の支援を行ってもらうよう平時から協力を依頼する。消防団においては災害時の安否確認、初期消火、救出の支援を行う。消防署においては要援護者宅に防火防災診断に伺い、火災の要因になる箇所の指摘や家具転倒の防止に関するアドバイスを行う。そして改善ができた際には、要援護者の中でも被災や受傷するリスクが低い者として民生委員と情報を共有する。要援護者に関する情報を逐一更新していくことで減災対策や災害時の安否確認の際に活かしていくのである。
一方、少子化によりいざという時の地域防災の担い手の減少が予想される。その対策として、自助力を向上させる意味で災害時に正しい行動をとるための防災力向上を目指す必要がある。たとえば昨年度行われた消防世論調査において、緊急地震速報が流れた際の行動について間違った認識を持っている方が多いことが分かった。調査結果によると身の安全を図ると答えた方より火を消すと答えた方が多かったのである。実際はまず身の安全を図ることが第一であり、火を消すのは揺れが収まった後である。少子化で地域防災の人手が不足することが予想される中、いざという時に若者に限らず都民一人一人が共助に参加するためにも、まず自分が助からなくてはならない。このためにもイベント等を通じた広報において一人でも多くの都民の方々に対し災害時に自分の身を守る行動について周知していく必要がある。
少子高齢化が進展した地域における防災上の安全対策として、要援護者を地域で見守ること、災害時に正しい行動をとる心掛けの普及をあげた。いずれも平時より地道に取り組んでいかなければならない対策である。私が東京消防庁の職員として防火防災診断や都民への広報を担うことになった際には、いつ起こるかわからない災害に備え粘り強く職務にあたりたい。そして少子高齢化が進展しようとも、要援護者を含めた都民すべてが安心して暮らせる東京を実現する➀イチジョとなりたい。
問1:本文の内容と合致するものを選べ。
1:高齢者は災害弱者に当たるため、全員要援護者と想定するべきである。
2:災害時の共助体制を築いていくため、まず自助力の強化を図っていくべきである。
3:大規模災害時には行政機関の機能がマヒするため地域住民が救助の主力となる。
4:防火防災診断の際は家具の転倒について注意を行っていくべきだ。
5:少子化が進行することで、災害弱者である高齢者の数が増える。
問2:下線部➀イチジョの正しい漢字表記をえらべ。
1:一序
2:一如
3:一所
4:一助
5:一徐
―解答―
問1:2(3段落目後半に記述あり。)
1:2段落目冒頭に記述があるが、高齢者全員が要援護者となるとは書かれていない。典型的なひっかけ選択肢。
3:記述無し。
4:記述無し。
5:少子化と高齢化は全く別の社会現象。少子化が進むからといって高齢者の数が増えるわけではない。そもそも本文に記述無し。
問2:4
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