「気を利かせる」ということ

2017年11月15日水曜日
「気を利かせる」ということ

突然ですが、「Jレスキュー」という消防専門雑誌をご存知でしょうか。

内容としては日本全国にある消防本部の特集や消防車両の解説、消火救急救助のテクニック等、現職の方から消防士志望の方まで幅広く参考にできる雑誌です。
 
今月号(90号)において掲載された東京消防庁のハイパーレスキューの特集にて非常にいいことが書かれていたので紹介したいと思います。

・・・私はレスキュー隊にとって最も必要なことは何かと問われたら、それは「気配り」「気遣い」であると考える
(中略)災害現場で頼りになるレスキュー隊員は例外なく日頃から気が利く人間だ。
災害や訓練以外の平素の日常的な業務や雑務、あるいは食事のときなど、どれだけ上司や同僚等、周囲の人間に対して「気配り」「気遣い」ができるのか。
(中略)食事の最中に救急出場した部隊員のお皿にさっとラップをかけてあげられるか。
(中略)交通事故で車内に挟まれた要救助者がいる現場において隊長から隊員にレスキューツール搬送の下命があったとする。その下命に対しレスキューツールのみを持ってくる隊員はいないのがハイパーレスキューである。言われなくても当て木一式、車輪止めなど必要な資器材を持ってくる。
(中略)現場を俯瞰してプラスアルファの行動ができるか否か。
(中略)自分の任務が終わったら次に必要な活動は何かなどを考えながら「気を利かして」活動することが大切なのである。
                        
 Jレスキュー90p21より引用


言われてみると、現場において気を利かせて動くことで二度手間を防ぎ、より効率的に救助活動が行えることが分かります。
またラップの例のように、日常の些細なことであったとしても気が利かされた方は間違いなく嬉しく思うはずです。


―気が利く人間とは―
では、気が利く人間とは一体どういう人間なのでしょうか。
私は気が利く人間とは人が好きな人間だと思っています。他人に興味を持ち、他人に対して想像力を持って接することができる人間です。

これだけではいまいちイメージしづらいかと思うので、私の体験談を一つ紹介します。

昨年某日、松屋というレストランにて焼肉定食を頼もうと思いましたが肉の量が足りないと思い、定食と焼肉の単品を注文しました。
オーダーを受け取りバックヤードに向かった店員が約30秒後に戻ってきて

「定食と単品を合わせるより、焼肉ラージ定食を注文された方が肉の量もほぼ変わらず200円ほどお安くなりますがどうされますか?」

と確認にきました。そこで改めてメニューを見てみると確かに焼肉定食の隣にそれが載っており、私は焼肉ラージ定食に注文を変更しました。

この店員の行動はまさに「気が利いている」としか言えないですね。店としては注文どおりに食事を提供するのが仕事であるはずです。しかし店員は焼肉定食+焼肉単品という注文から私の心の内にあった「肉が足りない」という気持ちを察し、あえて別のメニューを提案しに戻ってきたわけです。


この時、私はつい「頼りになる店員だな」と感じたのを今でも鮮明に覚えています。些細なことですが、レスキュー隊長のインタビューにある「気が利く人間」に通じるものがあると思います。

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