東京消防庁の一員として働くうえで大切だと考えることを今までの経験を踏まえて述べなさい
平成25年度東京消防庁Ⅱ類
「東京消防庁の一員として働くうえで大切だと考えることを今までの経験を踏まえて述べなさい」
の解答例、解説記事になります。まずは<ヒント編>を読み、自身で簡単な論文の骨格を作ってみてください。解答例はヒント編の次にあります。
<ヒント編>
●論題分析
論題を分かりやすく分解してみると
①東京消防で働く上で大切だと考えることは何か?
②その理由(自分の体験、経験)
です。よってこの論題に解答するにあたっての最優先事項が
「東京消防で働く上で大切だと考えること」を述べること
であり、
関係のないそれ以外のこと(ex東京消防庁の規模、東京都の人口、保有している資機材や車両、近年の災害の傾向等々)は一切書いてはなりません。万が一書いてしまうとただの字数稼ぎにしか見えなくなってしまうため減点される恐れがあります・・・。
あくまで
論文の採点者は「東消で働く上で大切だと考えることは何か」ということが知りたい
ので本文のなるべく早い段階で示す必要があります。そして次の段落以降で理由となるあなたの体験や経験をなるべく具体的に書いていきましょう。
改めて本文の核となる要素を下に示しますのでそれぞれの項目について150字程度で埋めてみてください。(練習ですのでインターネットや消防白書などを用いてなるべく自力で取り組んでみてください)
①東京消防で働く上で大切だと考えることは何か?
②その理由(自分の体験、経験)
改めて本文の核となる要素を下に示しますのでそれぞれの項目について150字程度で埋めてみてください。(練習ですのでインターネットや消防白書などを用いてなるべく自力で取り組んでみてください)
①東京消防で働く上で大切だと考えることは何か?
②その理由(自分の体験、経験)
<例文編>
東京消防庁で働くにあたって私が大切だと考えることは、災害対応のプロになるということだ。私は以前、東京消防庁で働く職員の姿を間近で見ようと思い消防技術安全所の一般公開を見に行ったことがある。そのイベントにおいて、職員の方々が燃焼に関する化学実験や災害救助ロボット、化学隊で使用される物質特定用機材及び各消防自動車の説明等を来客の方々に分かりやすく行っている姿を目にした。特に私が感銘を受けたことは、化学災害対応を担っている職員の方が物理や化学の勉強に今でも取り組んでいるのを知ったことだ。東京消防庁が管轄している高層建物や工場、世帯数は他都市の消防本部と比較しても桁違いに多く、それゆえ災害の複雑多様化が想定される。その多様な災害に対し普段の訓練や勉強を通じて、災害対応における想定外を1つでも多く減らしていくよう自己研鑽していくことが重要であると仰っていたのである。この言葉を聞き、私は東京消防庁で働くことに対する誇りと災害対応のプロとしての心構えをひしひしと感じることができた。
また、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の冷却活動も同様である。原子力発電所冷却という全く前例のない作戦に対し、自分たちがやらないで誰がやるのかという気持ちで作業にあたったというハイパーレスキュー隊員のインタビュー映像を見た記憶が鮮明に残っている。このような未曽有の災害対応においてもプロとしての意識を持ち、自分達で災害を鎮圧するという気概こそが東京消防庁で働くにあたって重要だと私は考えている。
つまり東京消防庁で働く上で大切なのは消防のプロとしてあらゆる災害に対応していくため自己研鑽や訓練を欠かさず実行し、東京はもちろん日本全国からも頼られる消防士になるという意識を持つことであると考えている。逆に言えばプロになるにあたっては日々自己研鑽することが必須である。現状の維持に満足せず自分の至らない点を発見し1つずつ克服していかなければならない。私は東京消防庁に入庁し、ポンプ隊に配属になった際は後輩が入ってくる1年後を目途とし、1人前の隊員として振る舞えるよう体力、技術面で常に向上心を持ち続けていきたい。例えば日々の体力トレーニングや管轄内の道路の把握、放水技術の習得等を常に意識しながら業務に打ち込んでいきたい。また、ポンプ隊は火災現場において消火作業だけでなく、救急隊や救助隊、はしご隊と連携し人命救助にあたる。そのため、私は所属の署内において救急隊や救助隊、はしご隊が訓練を行っていれば積極的に参加したり、見学を通じてそれぞれの部隊活動において必要な知識や技術の習得にも励んでいきたい。そして、まずは消火のプロとして東京の安全を守れるよう東京消防庁で働いていきたい。
<解説編>
●構成
構成としては、
1段落および2段落:
東京消防庁の一員として働くうえで大切だと考えること
東京消防庁の一員として働くうえで大切だと考えること
3段落:
抱負(1,2段落を踏まえて自分ならどうするか)
抱負(1,2段落を踏まえて自分ならどうするか)
となっています。
●思うように書けなかった方は・・・
今回の論題について解答するのが難しい、アイデアが浮かばないと感じた方はおそらく東京消防庁に対して説明会やパンフレットでしか情報を得ていないのだと思われます。それゆえイメージの幅が広がらず苦戦をしたのでしょう。
季節によりますが東京に限らず、どの自治体消防でも市民との距離を縮めるために様々なイベントを行っています。火災や交通事故対応の訓練披露だったり消防署の一般公開もやっている場合があります。このイベントこそが消防士の活躍する姿を間近でみるチャンスとなります。
本文の1段落目に上げた「消防技術安全所一般公開」というイベントも東京消防庁が都民の方に防災や消防に興味を持ってもらおうという趣旨のもと毎年4月に開催しているイベントです。内容としては本文の通り火災実験や資機材と消防車両の説明、救助訓練の披露、はしご車の乗車体験までやっているお得なイベントになります。
以下に私が2019年4月に撮影した消防技術安全所一般公開の様子を貼っておきます。参考までにどうぞ↓↓↓↓
今回の論題について解答するのが難しい、アイデアが浮かばないと感じた方はおそらく東京消防庁に対して説明会やパンフレットでしか情報を得ていないのだと思われます。それゆえイメージの幅が広がらず苦戦をしたのでしょう。
季節によりますが東京に限らず、どの自治体消防でも市民との距離を縮めるために様々なイベントを行っています。火災や交通事故対応の訓練披露だったり消防署の一般公開もやっている場合があります。このイベントこそが消防士の活躍する姿を間近でみるチャンスとなります。
本文の1段落目に上げた「消防技術安全所一般公開」というイベントも東京消防庁が都民の方に防災や消防に興味を持ってもらおうという趣旨のもと毎年4月に開催しているイベントです。内容としては本文の通り火災実験や資機材と消防車両の説明、救助訓練の披露、はしご車の乗車体験までやっているお得なイベントになります。
以下に私が2019年4月に撮影した消防技術安全所一般公開の様子を貼っておきます。参考までにどうぞ↓↓↓↓
●自分達がやらずに誰がやる
ご存知の通り、東京消防庁は東京における災害対応を担っている組織です。
しかし、東日本大震災に伴う福島原子力発電所の冷却作戦においてハイパーレスキュー隊が派遣されています。本来であれば、このような危機対応は国の機関である自衛隊の管轄でしょう。しかし、自衛隊や警察が所有する放水車では全く歯が立たずに帰還したことで、最後に要請がかかったのが東京消防庁のハイパーレスキューです。
「東京消防庁 ハイパーレスキュー 福島原発」
で動画を検索し、片っ端から見てみてください。
入隊5か月目で派遣された隊員
や
未曽有の災害現場において恐怖と戦いながら冷却活動を行った隊員の心境
を垣間見ることができます。
新人だろうがベテランだろうが関係なく、ハイパーレスキューしか頼れない状況だからこそ派遣されたのだと思います。
私は学生時代、サークルやいくつものアルバイト先に所属したことがあります。その中で、その組織にしかできないことは何か、そしてその組織内で自分にしかできないことは何かを考え、実行できたといえる回数は残念ながらあまり多くありませんでした。
そのような意味で、学生時代はもう少しあらゆることに熱意をもって本気で頑張る気概を持って過ごせればよかったと思います。
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