文章理解第24弾―他人をサポートした経験編―

2022年10月28日金曜日

 

普通ポンプ車 元木1(東京消防庁 西新井消防署 元木出張所)


文章理解第24弾―他人をサポートした経験編―

 

オリジナル文章理解(東消式)の第24弾です。おまけで漢字問題も用意していますので是非挑戦してみてください。

 

他人をサポートした経験とそこから学んだことについて述べられた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(制限時間4分)

 

 

他者への支援、サポートを行った経験として、学生時代携わっていた駅員のアルバイト勤務が上げられる。特に駅周辺にてイベント等が開催される際の混雑対応はもちろん、お客様同士のトラブルや迷子、道案内対応など多岐にわたる業務が同時並行で発生する。しかしそのような時でも駅員や警備会社スタッフの区別なく持ち場状況の報告やサポートに向かったほうがいいかコミュニケーションをこまめに取り合いながら混雑対応を行うことができた。目が回るほどの忙しさであったが周りには気を遣ってくれる仲間がいるというだけで非常に頼もしく、私自身もソッセンして他のスタッフを気遣う立ち回りができた。意識したこととしては常に自分にできる仕事を探すことである。混雑するとはいっても時間の経過と共に客数の増減があり、また持ち場によって忙しさの具合も変化していく。そのような状況で自分の持ち場ではないからといって知らぬふりをすることなく、担当の者にどのようなサポートが必要かを聞き出すことを意識した。そして自分の能力とのすり合わせを行った上で自分のできる限りの仕事をするよう心掛けた。

 

 

 

この駅員アルバイトでの経験から学んだことは視野を広くタモツこと、他人の立場になって考えることの重要性である。会社において仕事を行う場合、事前に何らかの役割を与えられる。しかし、実際に業務に臨むと事前には想定していなかったイレギュラーな事態が発生する場合がある。その時に重要なものが他人へのサポートや支援であると私は考えている。以前の私は与えられた仕事を言われたとおりに行えばいいという考えを持っていた。しかし初めて上記のような混雑対応の業務に携わった際、必ずしも役割にはまった仕事ばかりを行っていればいいというわけではないことを思い知らされた。現場の状況は常に流動しており、想定していなかった事態が発生する可能性も十分に考えられる。いかなる状況でも組織の目標や目的を達成するためには、個人がそれぞれ広い視野を持ちメンバーの様子を気にかけながら仕事を行うことが重要であるということを学んだ。また、サポートするにあたってもただ自分のやりたいように実施するのでは効果が薄くなってしまう。自分が担当者であったらサポート者にどういうことをして欲しいか、またどのように動けばサポートとしての効果が効率よく発揮できるか考えることも重要だと学んだ。

 

 

 

上記の駅員アルバイトでの経験後、視野が広がったおかげで勤務中は駅構内で困っている同僚を絶対に見逃さないという意識を持つことができた。この意識の下で同僚に尽くしていくことで、自分が困った際は逆に自然と手を差し伸べてくれる者が増えていく実感を得た。つまり視野を広く保つこと、他人の立場を考えながら仕事を行うことは結果として信頼関係をいいものへと築き上げることにつながる。よって私は今後どのような組織に所属したとしても常に他人を気に掛ける行動を意識していきたい。

 

1:下線部➀ソッセンの漢字表記として正しいものを選べ。

➀卒先

②率先

③率践

④卒遷

⑤率線

 

2:下線部②タモツの漢字と送り仮名の表記として正しいものを選べ。

➀保もつ

②任つ

③守つ

④任もつ

⑤保つ

 

3:本文の主張として最も適切なものを選べ。

➀私の視野が広がったのは駅員アルバイト経験のおかげであり、かつての私の仕事に対する意識をがらりと変えてくれた。今後もどのような組織に属しようともこの意識を忘れないようにしたい。

 

②仕事を行うにあたっては仲間のサポートを行うことが重要であり、イレギュラーな事態に遭遇した際は自分の役割を越えてでも仲間の助けになるべきである。

 

 

③仕事とは常に流動的なものであり、自分の役割のみに固執しているとイレギュラーな事態に対応できなくなってしまう。その際に必要なものが広い視野を持つ意識であり、他人の立場を考えつつ尽くしていく意識である。

 

④仲間へのサポートはいわば他人に尽くすということであり、それが積み重なってくると逆に自分が困っているときに自然と仲間の助けを受けることができる。よって自分がどのような組織に属したとしてもまずは率先して他人をサポートしなければならない。

 

⑤サポートを行うにしても、自分の好き勝手に行動していては意味がない。仲間に感謝され、逆に自分が自然と助けてもらえるように信頼関係を作るには他人の立場を考えてサポートを行うことが大事だ。

 

 

 

 




<解答>

1

2

3(本文全体の内容を端的にまとめている。)

➀書いていることは間違ってはいないが、筆者の主張である「広い視野」と「他人の立場になって考える」ことが入っていない。

 

②「役割を越えてでも」とまでは言っていない。

 

④②と同様、「しなければならない」とは断言していない。いわゆる言い過ぎ選択肢なので注意。

 

⑤書いていることは正しい選択肢であるが、「広い視野」の記述が無い。よって「広い視野」「他人の立場を考える」の両方が入っている③の選択肢と比較すると正解から外れる。

コメント

0 件のコメント :

コメントを投稿