【無料】文章理解第15弾ー質のいい救急サービスの実現対策編ー

2021年11月25日木曜日

 

田園調布消防署(東京消防庁)

 

オリジナル文章理解(東消式)の第15弾です。おまけで漢字問題も用意していますので是非挑戦してみてください。

 

以下の文章は、資料「救急車を呼んだ理由」から読み取れる課題と対応策について述べた文章である。これを読み、後の問いに答えよ。(※資料は省略しています)

 

資料から読み取れる課題は軽症と重症の判断がつかなかったとの回答を減少させていくことだと考える。なぜなら生命の危険を感じた、自力で歩けないといった急を要する理由以外で前年比一番の伸びが見られるからだ。もちろん本当に身の危険を感じたのであれば救急車を呼ぶべきであるが、実際のデータにおいては50%以上が軽症と診断されている。このことからむやみな通報が本当に救急車を必要とする人のサマタゲになりうることが十分に考えられる。また救急車や救急隊員の数には限りがあり、いざというときに必要な人のもとに急行できることが救急サービスの理想とした場合、安易な通報により人手や物的資源が無駄にそれらに割かれてしまうのは救急サービスの質の低下を招きかねない。

 

 救急車が中等症、重症者のもとに重点的に急行できるようにするためにはまず軽症重症の判断がつかなかったとの回答率を下げていくことが重要であり、そのためには#7119の周知と実践的な訓練の実施を上げたい。防災訓練やイベントなどを通じて声掛けや案内を実施しているところではあると思われるが、資料を見てみると年々ビゾウしておりその成果は出ていることがわかる。だがまだまだ活用率が高いとは言い切れない。#7119は知ってもらうだけでなく、実際に使えるようになってもらうべきものであり、私としては軽症と重症の判断がつかなかったとの回答に対してほぼ同じ数字になるべきであると考えている。具体的には症状の程度の判断ができず、#7119を使った結果として救急車を呼んだという流れができると理想的である。このような流れができれば結果として両者がおおむね同程度の数字となって結果に表れるはずである。ただ、傷病者にはいつどこで遭遇するか分からない。傷病者になるのは自分か他人かもわからず、症状も状況も様々なケースが想定できる。そのようなシーンにおいて症状の判断に迷ったら迷わず#7119を押せるような訓練を取り入れてはどうかと考える。例えばまちかど防災訓練の機会を使い、自宅や駅、職場など様々な状況や症状を想定して#7119を使ったやり取りの練習を行うのである。そして軽症だった場合と救急車を呼ばなければならない場合にどのような流れになるのか訓練を通じて体感してもらうのである。そして1人でも多くの都民が#7119をスムーズに利用できるようになれば、中等症や重傷者のもとに重点的に救急隊が駆け付けられる質のいい救急サービスが実現可能になると考えている。

 

 

1:下線部➀サマタゲの漢字と送り仮名の表記として正しいものを選べ。

➀妨たげ

②妨げ

③妨またげ

④防げ

⑤防たげ

 

2:下線部②ビゾウの漢字表記として正しいものを選べ。

➀撤増

②微蔵

③備増

④庇増

⑤微増

 

3:下線部③人手や物的資源が示すものとして最も正しいものを選べ。

➀東京消防庁の職員や車両

②医者やドクターカー

③ポンプ車や救急車

④救急隊員や救急車

⑤救急救命士や機関員

 

4:本文の内容として最も適切なものを選べ。

➀東京消防庁管内では約40秒に1件救急車が出動している。本当に救急車を必要としている傷病者へ救急サービスを行うためにも#7119の周知は重要だ。


②救急車を要請する前に#7119に問い合わせをすれば確実に軽症か重症かを判断することが可能なのでどんどん使用していくことを周知していくべきだ。


#7119は知ってもらうだけでなく、実際に使えるようになってもらうべきものである。そのため実践的な訓練の場を設け、万が一の際は迷わず使ってもらえるよう啓蒙していくべきだ。


④東京消防庁の救急隊はかならず1名は救急救命士が所属しており、他の消防本部と比べると高度な救急サービスが可能である。


⑤質のいい救急サービスを実現していくためには通報する前に必ず軽症か重症かを判断しなければならないため#7119をいつでも使えるように訓練する場を設けるべきだ。

 






<解答>

1

2

3

まず人手や物的資源という言葉の並びから「人とモノ」の組み合わせを前提として検討すると➀・②・④が残る。

本文中では消防の話題が展開されているので②は当てはまらない。➀か④のどちらかであるが、①だと範囲が広く、より具体的に示されている④が正解となる。

 

4③(2段落目中間以降に記述あり。)

➀「東京消防庁管内では約40秒に1件救急車が出動している」が余計。事実ではあるが、本文に記載なし

②「確実に軽症か重症かを判断できる」とはどこにも記述がない。

④➀同様事実ではあるが本文中の記載がない。事実をちらつかせてひっかけを誘う典型的な選択肢

⑤「必ず軽症か重症かを判断しなければならない」が余計。確かに軽症重症の判断は効率的な救急サービスを運用していく上で重要だが、それは必ず必要になってくるものとはどこにも述べられていない。いわゆる「言い過ぎ選択肢」の一つ。引っかかった方は要注意。

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