【名古屋市消防H25年度大卒程度】責任を感じた経験について、その責任を果たすためどう取り組んだか・何を学んだか
普通ポンプ車(東京消防庁 田園調布1小隊)
名古屋市消防H25年度大卒程度
「あなたがこれまでに感じた最も大きな責任をあげ、その責任を果たすために取り組んだこと、それから学んだことについて述べよ」
の解答例、解説記事になります。まずはヒント編を読んで論文を書く練習をしてみましょう。
〈ヒント編 〉
1:論題分析
●失敗→成功パターン
「責任を感じた経験」と固い表現がされていますが言い変えれば「つまずいたものの、工夫し乗り越えた経験」です。
ちなみに、
望ましいのはアルバイトやサークル等の他者との関わり合いの場面
です。
失敗やつまづきが無ければ責任を感じることも無いかと思っています。
つまり自分が他者との関わり合いの中で何か失敗し、それを克服した経験とも言えます。
次の
「果たすためにどう取り組んだか」
は
「どう改善し取り組んだか」
とも言い換えられます。
そして最後にこの経験から何を学んだかを述べればOKです。
注意したい点は
「何を学んだか」
「どう取り組んだか」
の2つにボリュームを持たせて記述していく事です。
失敗経験についてはほんの些細なことでも充分です。それよりも採点者が知りたいことは
「あなたがどう考え、改善を行い」
そして
「何を学んだか」
という事です。
2:練習
ウォーミングアップが終わったところで実際に書く練習をしてみましょう。構成は上の通りです。
●責任を感じた経験:100字程度
※わかりやすく、端的にまとめること。些細なことでもOK。
●どう取り組んだか
※採点者が知りたい重要なポイントその1。具体的に記述すること。
●学んだこと:200字程度
※採点者が知りたい重要なポイントその2。具体的に記述すること。
〈解答例〉
私が責任を感じた経験として空手サークルでの合宿のリーダー経験が上げられる。宿泊施設においては生活に関することは全て自分たちで行わなければならなかった。メンバーはこのことは事前に把握していたはずであった。しかし、実際に合宿が始まると稽古による疲労で居眠りをしてしまい仕事ができなかった者、友人たちとの会話に夢中になり仕事自体を忘れていた者がいたりと非常にまとまりの無い初日になってしまった。リーダーを任されている私として非常に責任を感じた一件であり、その夜に合宿を成功させるためのミーティングを行った。
このミーティングを通じて翌日からは積極的に役割をこなしてもらうこと、そして余裕がある際は周りの者に声掛けをして手伝ったり、注意し合うことを確認してもらった。また、私としても思い込みをすることなくメンバーに指示を明確に伝えたり、全体の進行具合を掲示板に張り出しメンバー全員が情報を共有できるよう努めることを決意した。メンバー間で積極的にコミュニケーションをとり、全員で協力し合って合宿を乗り越えていこうと提案をしたのである。この結果、翌日以降は全員が自身の役割に基づき動いてくれるようになった。またメンバー同士で声を掛け合うことで不注意やミスを防いだり、互いに助け合う非常に良い人間関係が出来上がっていた。
この経験から、私は組織で物事にあたるにはコミュニケーションが不可欠であるとの考えを持つに至った。今回の合宿のケースでは誰かがやってくれるだろう、すでに周知したから大丈夫だろうといった思い込みやコミュニケーション不足が組織としてのまとまりを欠く要因になったと考えている。私はこれからもチームで物事にあたる際には、メンバーとのコミュニケーションや情報共有を大切にしていきたい。そして、お互いに協力し助け合うことで良い仕事ができ、いい人間関係の構築にもつながってくると私は考えている。
〈解説編〉
1:構成
1段落(責任を感じた経験と挽回の行動)
リーダーであるにも関わらず、メンバーをまとめられなかった失敗。ミーティングを実施。
2段落(具体的な取り組み)
メンバーへの明確な指示系統。コミュニケーションに基づく支え合い。合宿の成功。
3段落(学んだこと)
組織で物事にあたる際はコミュニケーションによる情報共有、そしてお互いを支え合うことの重要性を学んだ。
2:リーダーの役割とは・・・
読者の方々はリーダーという言葉にどのようなイメージを持つでしょうか。
周囲より優れた能力を使い、皆を引っ張っていく存在でしょうか。
もちろんそのような面もあるでしょう。
しかし私はこの合宿での経験を通じて
「リーダーは皆を支えるポジション」
というイメージを持ちました。
本文中でも述べられていますが、合宿がうまくいくように動いてくれたのはむしろメンバーの方です。
リーダーである私は指示を下したり、メンバーが羽目を外さないよう管理したり、合宿全体の進行を調整したりとあまり合宿自体を満喫できなかった記憶があります。
ただこのようにリーダーというポジションがしっかりしていないと、本文1段落目で見たようにまとまりのない組織になってしまいます。このことから、リーダーは皆を引っ張る存在であるというよりかは支えたりサポートするポジションではないかと私は思っています。
イメージとしては逆ピラミッドの形です。一番上の広い部分に新入生をはじめとしたメンバーがおり、下に狭まっていくにつれ上級生、そして一番狭い下の部分にリーダーである私がいるイメージです。
この逆三角形の駒がうまく回転し続けるためにはコマの軸であるリーダーがしっかりしていること、そして一番広い面積を占めている1年生をはじめとした新メンバー達が常に遠心力を作り出していかなければならないことが分かります。
3:組織に遠心力をもたらすとは
ここで言う遠心力とはお互いにコミュニケーションを取り、助け合い支え合いながら組織のために動くことです。複数の者が互いに協力し同じ目標に向かって力を合わせることは一人で行う場合よりもはるかに大きな力となります。
ただその時に注意したいことが、コミュニケーションの取り方です。ただ単に楽しくお喋りするのでは全く意味がありません。一言で言えば「他人の意図や要求をくみ取る」ためにコミュニケーションするということです。
支え合うにしても「どういったことを、どのように動き、手伝うか」を相手の立場になって考えなければなりません。相手の立場を理解し合い、組織の前線で常に遠心力を生み出していかなければならない新メンバーこそリーダーに代わる組織の一番重要なポジションではないかと考えられます。
最後になりますが、なぜ私が合宿のリーダーになったかというと・・・
ジャンケンで負けたからです。
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