【無料】文章理解第13弾―新卒学生の就職と離職率編―
豊島消防署(東京消防庁)
オリジナル文章理解(東消式)の第12弾です。おまけで漢字問題や空欄問題も用意していますので是非挑戦してみてください。
新規卒業学生の就職と離職について述べられた次の文章を読み、後の問いに答えよ。
資料から読み取れる課題の1つは大学のグラフにおいて離職率がほぼ30%台を①イジしており、統計が始まっている平成9年からほとんど改善が見られないことである。2つ目は高校のグラフにおいて平成22年度以降の就職率上昇に伴って離職率も上がってしまっていることだ。平成18年度以降2年間は就職率上昇に伴って離職率が順調に下がっているものの、22年以降を見てみると離職率が下がるどころか若干上昇しているのである。
大卒の離職率を下げていくためには学生自身が興味や性格に合った仕事につけることが一番である。世の中には様々な業種や職種が存在するが、結局のところ民間企業が存在する理由は利益を生み出すことであり、公務員は国や地域全体の利益を創出することにある。そのため、私の考える対策は学生自身が志望する業界や企業がどのような業務を通じて
A いるのか、そして自分がどのように貢献できるのかを具体的に考えさせることである。そこで、大学の就職支援担当の②ブショから学生にそのようなことを考えさせるレポートを課すことで自分の言葉で説明できるように支援する体制を作るべきだ。そしてレポートの作成を通じて志望先の戦力の一員となれることを説明できるようになった暁には不本意な就職が減り、結果として離職率の低下となって表れると私は考える。
次に22年以降にみえる高卒離職率の改善について、例えば就職の理由が家庭の経済事情によりやむを得なかった、勉強がしたくないからといったものによる場合は不本意な就職になり早期離職につながると私は考える。就職率が上昇していくのは喜ばしいことだが、その数字の裏に不本意な就職も含まれているならばそれらを減らすように対策していかなければならない。
学問に興味がない高校生に対しては大学や専門学校が年間通して文系理系問わず様々な内容のオープン授業を実施することを対策として上げたい。大学や専門学校は高校では知りえなかった知識を習得できる場であることをイメージしてもらう趣旨である。大学生活を通じて新たな興味関心を持ち、それを就職活動に活かしてもらうことが本人にとっても企業にとってもより良い就職になると私は考える。家庭の経済事情により進学を断念してしまう場合には大学や専門学校側が学費の支払いについて事情に合わせたプランを提案する相談会の実施を上げたい。例えば在学中と卒業後の数年間に渡って払っていく分納や、奨学金を使うケース、入学試験にて良い成績を収めた場合に割引を認める等入学前にあらかじめ教育機関と家庭との間で費用について共有を行ってみてはどうかと考える。そうすれば、大学や専門学校側としても学問に興味のある優秀な高校生を迎えられる機会の創出にもつながってくる。
このように勉学への無関心や経済的事情によらない多様なキャリアの形成を支えていくことが結果として高卒生の離職率の減少へとつながっていくと私は考える。
問1:文章の内容に即して空欄Aに入る最も適切な言葉を選べ。
1:社会に貢献して
2:利益を生み出して
3:日本に革新をもたらして
4:日本を支えて
5:日本の安定に寄与して
問2:下線部➀イジの漢字表記として正しいものを選べ。
1:移持
2:維事
3:移似
4:維持
5:惟持
問3:下線部②ブショの漢字表記として正しいものを選べ。1:部所
2:部署
3:部暑
4:阿所
5:倍署
問4:本文の主張として最も適切なものを選べ。
1:新卒者の早期離職を抑える対策として1つは志望先の企業でどのように活躍できるか考えさせ、言葉で表現させることである。2つ目は不本意な就職を減らすため、勉学への無関心や経済的事情によらないキャリア選択を支援することが大事だ。
2:大卒の離職率が30%台と非常に高い水準にあるため、就職活動の時期には学生が就職支援担当と連携し自分が企業でどのように活躍できるか考えさせる体制をつくるべきだ。
3:平成22年度以降は高校生のグラフにおいて不本意な就職が災いし離職率が上昇している。そのため少しでも高校生にとってメリットのある進路選択の支援をする必要がある。
4:大卒者の早期離職を防ぐためには志望先でどのように貢献できるか考えさせることも大事だが、インターンシップや職場見学で企業や官公庁の実際の姿に触れる機会を増やしていくことも大事である。
5:人口減少や大規模災害の頻発等日本の先行きが不透明となる中、企業も採用数を絞っており正社員として就職することは難しいように思える。しかし自己分析や企業研究を通じてしっかりと対策を行っていけば自然と道は開ける。
―解答―
問1:②
(前の文章で民間企業も官公庁もそれぞれの「利益」を生み出す活動を行っていると述べられている。
その流れから考え、利益というニュアンスを含んだ選択肢を探すと②しかない。)
③と⑤はそれぞれ「安定」と「革新」という限定的な言葉が含まれているため×。
世の中の革新に主眼を置いている企業もあれば、安定に主眼を置いている企業もあるのでどちらか一方が入るとは言えない。
①と④は「貢献」「支える」と抽象的な言葉であり、またどちらも似た意味を持っているためどちらかが入るとは言えない。
また、前の文章で『企業や官公庁は「利益」を生み出す団体』と具体的に定義しているため空欄に入れる語句もまた具体的なものでなければならない。
問2:④
問3:②
問4:①
(1つ目の対策は大卒者の離職対策、2つ目が高卒者の離職対策として本文中に記載あり。)
②:30%台は確かに高いように思えるが本文中には「高い」と表現している部分は見当たらない。現実的なことをちらつかせひっかけを誘う典型例。
③:「不本意な就職」はあくまで筆者が想像しているだけのことであり、現実に起こっているかどうかは本文中に記載なし。②と同様の典型的なひっかけ選択肢。
④:インターンシップや職場見学が必要であるとまでは言っていない。本文中の記述を誇張表現しているタイプのひっかけ選択肢。
⑤:本文中に全く記載がないデタラメな選択肢。これを選んだ人は受験失格レベル。
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