【無料】文章理解第14弾―防災訓練への参加編―
日本橋消防署(東京消防庁)
オリジナル文章理解第14弾になります。
防災訓練の参加率上昇について書かれた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(制限時間4分)
グラフから読み取れる課題は、訓練があることを知らなかったとの回答が前年と比べ5.7ポイント上昇していることと一緒に参加する人がいないとの回答がマイナス0.4ポイントしか下がっていないことの2つである。前者はグラフ中最大の増加項目であり、後者は減少率が一番低い項目となっている。特に後者については訓練の実施を知っていながら参加をためらっていることが見受けられ、訓練に招く上での見込みになる余地が十分にあると考えられる。また災害はいつどこで発生するか分からず、見知らぬ人とも連携して対応しなければならないこともあるため、 1 参加する必要がある。そして日ごろから防災への意識を高めておくべきだと考えている。
上記の課題2つへの対応策として告知の方法を提案したい。例えば訓練当日に職員が中心となり消防団や町内会スタッフとともに訓練場所付近の住民宅に一戸ずつ伺い、参加や見学を呼び掛けていくのである。事前の告知では回覧板や掲示板による案内を実施しておき、当日に再度の告知を戸別に実施していく要領である。その際にただ実施を案内していくだけでなく災害時には見知らぬ人とも連携して対応しなければならない場合があることも伝え、1人でも多くの都民を訓練に招く方法である。非常に地道な作業になるかと思われるが、私がこのように考える理由として家具販売会社での経験がある。私が勤めていた家具販売会社では5,6か月に一回、一品少なくとも30万円以上する高価な商品の販売イベントを行っていた。その販売会は招待するにあたって選抜した顧客に事前にご案内状を送付し、その1週間後に担当の営業者がお宅に訪問していくことで顧客を招待していく方式をとっていた。しかし選抜した顧客といえどこのイベント自体に興味無いあるいはイベント自体忘れてしまっている顧客もいた。実際に訪問して十数件ほど対面で話をしてようやく1件の顧客①ショウタイにつながるのである。
このことから訓練参加の呼びかけも同様、忘れてしまっていることは想定の上でなぜ知り合いがいなくとも参加する必要があるのかを含め声掛けを行うことが重要になると考える。非常に地道な活動になるが、毎日仕事や家事に追われ、多忙な日々を過ごしていることを想像すれば回覧板などで告知をしただけでは忘れられてしまうのもやむを得ない。このような現代において、防災訓練に参加を促すためには当日に付近の住宅一戸ずつに訪問活動を行ったうえで参加を促し、防災意識の向上に努めてもらう必要があると考えている。そしてゆくゆくは調査結果において訓練があることを知らなかったとの回答率を減少させ、また知り合いがいないので参加を見送ってしまっている重要な見込みを1人でも多く発見し参加を②ウナガシテいく必要があると考えている。
問1:空欄1に入る語句として最も適切なものを選べ。
1:防災の知識を持っていたとしても
2:消防団員であったとしても
3:知り合いと一緒でなくとも
4:天候が悪い日でも
5:大地震の発生に備えて
問2:下線部➀ショウタイの漢字表記として正しいものを選べ。
1:招帯
2:紹待
3:招戴
4:招替
5:招待
問3:下線部②ウナガシテの漢字と送り仮名表記として正しいものを選べ。
1:促して
2:促ながして
3:促て
4:捉して
5:捉ながして
問4:本文の主張として最も適切なものを選べ。
1:災害はいつどこで発生するか分からず、見ず知らずの者と協力して対処しなければならない場合もある。
2:都民の方々に訓練参加の声掛けや告知は非常に地道な作業になるが、家具営業の経験を活かしていきたい。
3:回覧板などで防災訓練実施の告知をしても、日々の生活を送る中で絶対に忘れられてしまうため対面での告知が重要だ。
4:防災訓練の参加率を上昇させるためには、都民の方々に地道な声掛けや告知を行うべきだ。
5:アンケートにおいて「訓練があることを知らなかった」と回答する方々は、告知方法によっては参加してもらえる有力な見込みとなるはずだ。
―解答―
問1:③(直前に「見知らぬ人とも連携して対応しなければならないこともあるため」と理由を説明している文章があるので、空欄にも同じ意味を成す語句が入る。)
問2:②
問3:①
問4:④(2,3段落にわたって記述あり。)
①:本文中に記述はあるが、筆者の主張ではなく単なる事実。
②:家具販売の経験は地道な声掛けの理由として上げているだけ。経験を活かしたいとはどこにも書かれていない。
③:内容は9割あっているが、「絶対に」という言葉が余計。内容としてはほとんどあっているものの、一部に誇張表現を用いることで不正解にする典型的ひっかけ選択肢。
⑤:有力な見込みになるのは「一緒に参加する人がいない」と答えている人のこと。また、これは筆者による分析であり主張ではない。
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