これまでの人生で大切にしてきたことをあげ、社会人として具体的にどのように活かしていくか述べよ
「これまでの人生で大切にしてきたことをあげ、社会人として具体的にどのように活かしていくか述べよ」
の解答例です。時間がある方は解説編もどうぞ。
<例文編>
私がこれまでの人生で大切にしてきたことは、結果を出すことである。このことを大切にしようと考えるに至ったきっかけは学生時代に所属していた空手サークルでの経験による。
私が所属していたサークルの空手の流派では6級を取得していなければ公式の試合に出場できない規定があった。そのため、新入生はまず10級から始まり6級の取得を目指し日々の練習に取り組むのである。しかし昇級審査を受験し、不合格であったとしても師範の方々からは具体的な改善点指摘はもらえない。つまり自分で課題を見つけ、次回の審査までに改善しなければならないのである。私を含め新入生は約10名いたが、特に7級から6級に昇級する試験では全員が初受験で惜しくも不合格となってしまった。そこで、私はサークル練習後はなるべく全員で自主練習を行いお互いに欠点や課題を指摘し合うことを提案してみた。実際にその取り組みを行ってみたところ、自身では気づかなかった欠点や、間違った思い込み、参考になる他人のいい所等が把握でき、またそれらを新入生全体で共有することもできた。この取り組みを始め約2か月後に昇級審査を再び受験したところ全員が合格でき、達成感と共に仲間への感謝の気持ちも持つことができた。
この経験から、私は努力し結果を出すことの大切さを実感し、これ以降自身の価値観として大切にしたいと考えるようになった。この意識は3年時から携わっているカレー専門店でのアルバイトにも生かすことができた。例えば私はお客様の顔や名前、好みの辛さやトッピング量を覚え、お客様の好みに応じたカレーを提供しようと調理担当の方に提案した。この提案が受け入れられ、実践したところ新たに10名ほどの固定客を獲得することができた。私はアルバイトとしてではあるが、店舗の売上やお客様の満足に対し結果を残せたのである。
私は社会人特に東京消防庁職員として、この結果を出すという価値観を救助隊員の面から活かしていきたい。なぜなら人命救助の場面において最後の砦といわれるのが救助部隊だからであり、救助隊にできなければ誰にもできないとも言われている、まさに結果を求められている職種だからである。私は救助隊員としていかなる災害現場においても人命を救助するという結果を出すためにも、平時の訓練にて創意工夫の提案や試行錯誤を繰り返し行い、災害における想定外を一つでも多く無くしていきたい。そして、迅速で安全、確実な救助活動につなげていきたい。
また、消防学校での研修では税金によって私達初任科生の衣食住および訓練が賄われていることを自覚し、日々の訓練や座学に励みたい。そして、ポンプ隊配属後は自分になされてきた投資を実際に都民の安心安全に還元できるよう、隊員の一人として消火業務はもちろんPA連携での救急事案、火災現場での救助隊の支援に努めたい。そして消火や救急、救助の場面ごとに自分が経験したことに対し分析、改善点、訓練への反映を行うことで将来、救助隊員としていかなる災害現場においても人命救助という結果を残せる隊員になりたい。
<解説編>
●社会人とは
今回のお題には「~社会人としてどのように活かしていくか述べよ」とあります。では社会人とはどのような存在なのでしょうか。
参考にはてなキーワードを見てみると、
「学生・生徒などに対し、社会に出て働いている人の事。労働を通じて社会に参加している人」
と定義されています。つまり、何かしらの仕事や、労働を行うことで世間や社会との接点をもっている人のことです。よって仕事を通じて社会にかかわっている以上、自分の仕事に対して責任が生じてきます。また、仕事の報酬により生計を立てていることもあり、社会人にとって仕事は大きな意味を持っているといえます。
では、なぜ自身の仕事に責任が生じてくるのかというと、会社から給料をもらっていること、また仕事を通じて顧客にサービスを提供しているからだと私は考えています。このことから、社会人は自身の所属している会社、そして顧客の両方に貢献する必要があるといえます。
会社員として顧客に貢献するとは、例えばサービスを低価格で提供したり、サービス内容をより良いものに改善する等イメージしやすいかと思います。
一方、会社に貢献するとは
「給料以上の仕事をすること」
だと私は考えています。先ほども見たように会社は従業員に給料を払っており、従業員はその給料をもとに生活しています。一般的なサラリーマンの生涯賃金は約2.5億円といわれており、まさに会社はこれと同程度の金額を従業員に支払っているわけです。
ということは、従業員一人当たり生涯に2.5億円以上の売り上げを出さなければ会社は存続できないことになります(会社の払うコストとして人件費の他に設備費、通信費、生産費等あり)。
そこで重要なものが「給料以上の仕事をすること」という意識です。この意識の下、常に現行の業務に改善点を見出しコスト削減や新規販路開拓などを通して会社の売り上げを伸ばしていくことが会社員に求められていると私は考えています。
特に新卒を採用するにあたり、会社側は説明会、インターンシップ、PRパンフレット作成、人事担当者の人件費などコストをつぎ込んで採用活動を行っています。さらに採用された新卒社員には研修やスキルアップ教育、OJT等時間やお金をかけて戦力になるよう育て上げているのです。このことからも、社会人(会社員)は自身にかけられた会社からの投資を全力で返していかなければならない存在であることが分かります。
この例は消防士にも当てはまります。本文においても触れたように、消防士として採用された場合大卒であれば約6か月、高卒であれば約10か月の研修、訓練が各都道府県消防学校(一部政令市には自前の研修センターあり)にて行われます。そこでの衣食住、訓練費用は全て税金で賄われており、さらに給料もいくらかもらえます。
消防学校を卒業し現場に配属された際には、今まで税金にて投資されてきた分全力であらゆる災害から市民を守るべく働いていかなければなりません。それが市民から預かった税金による投資の返済になり、また市民のために働くことにつながってきます。今の時代、多くの自治体で少子高齢化が進み税収が落ち込むことが予想されています。その中で6か月や10か月と長期にわたり消防士として一人前になるべく税金が使われている意味をしっかり受け止め、現場配属後は常に市民の安心安全を守るべく働いていってほしいと思います。
その上で意識してほしい事が、「今までこうだったから、これでいい」「言われたことだけやっていればいい」といった考えを捨てることです。
上記でも触れたように、税収の落ち込みで一つの事業にかけられる金額も減っていくことが予想されます。それでも、今まで以上に市民の安心安全を守るためにはどうしなければならないか頭を使い知恵を出し、額に汗して仕事をする覚悟を持ってほしいと思います。
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