社会におけるコミュニケーションの必要性をあげ、あなたが持っているコミュニケーション能力を消防官としてどのように活かしていくか述べよ。

2017年7月26日水曜日

特殊救急車 朝日AS(東京消防庁 府中消防署 朝日出張所)

東京消防庁H23年Ⅰ類1回目

「社会におけるコミュニケーションの必要性をあげ、あなたが持っているコミュニケーション能力を消防官としてどのように活かしていくか述べよ。」

の解答例です。時間がある方は解説編もどうぞ。

<例文編>

 社会においてコミュニケーションが必要とされている理由は二つあると考えている。1つは仕事における意識や目標を統一するため、
もう1つは曖昧さ、誤解防止の観点から正確な情報共有を行うためである。両者に共通しているのは仲間内での徹底を図ることで仕事の質や効率向上が期待できる点である。消防の業務においてもコミュニケーションは重要である。災害の現場では要救助者を救う前提として自分たちの安全を確保する意味で、動作の際に逐一発生し自分が今何をやっているか隊内で共有している。また、現場に突入した隊は指揮隊に状況を詳しく報告することで情報を共有しなければならない。命がかかっている仕事だからこそチームの意識を統一する必要があり、また情報の伝達過程で誤解があってはならないのである。

 私が持つコミュニケーション能力は2つある。分かりやすく伝える力と迅速、正確な情報伝達の力である。
これらの力は駅員のアルバイトを通じて身に付けることができた。業務としては券売機前での案内や電車のドアに挟まった方や荷物を押したりホーム上の安全を監視することである。券売機前では老若男女様々な方から切符の買い方、電車の乗り換え、駅周辺の地理について等様々な質問を受ける。この時に誤解が生じてしまってはいけないので、相手がどういうことを知りたいかしっかり把握したうえでこちらとしても相手に分かりやすく答えることを常に心がけている。一方、ホーム上においては例えば線路内に物を落としたと相談があった場合は上りホームなのか下りホームなのか、何両目あたりか位置を把握し速やかにホーム責任者に報告する。これはアルバイト要員のみでは安全管理上、取得作業ができないためであり、責任者に早く来てもらうためにも迅速で正確な情報伝達が欠かせない。

 私はこれらのコミュニケーション能力を現場や防火防災指導の場面で活かしていきたい。例えば、消防学校卒業後ポンプ隊に配属された際は迅速で正確な情報伝達力を消火作業時はもちろんPA連携時や火災現場での救助隊の支援時に活かし、各災害対応の円滑化に貢献したい。また防火防災指導は年配の方や幼稚園の児童達にも行うものなので分かりやすさが重要になってくる。特に火災については消防士は現場を見慣れているが、都民の方々にとっては自宅が火災に見舞われることは一生に一度あるかないかである。このことが消防士と市民の間に火災に対する認識のギャップを生じさせていると私は考えている。よって防火防災指導の際はこのギャップをなるべく埋めるよう実施しなければならないので、私としては各年齢層や思考レベルに応じた分かりやすい指導を心がけ、安全安心な東京の実現に向け消防士として貢献していきたい。


<解説編>
構成としては、
第一段落で「社会におけるコミュニケーションの必要性」
第二段落で「自身のコミュニケーション能力」、
第三段落目で「消防士としてのコミュニケーション能力発揮」

の順で記述されています。

●ポイント1:コミュニケーションとは
本文でもふれたように、私は仕事におけるコミュニケーションの意味とは

「仕事における意識や目標を統一する」
「曖昧さ、誤解防止の観点から正確な情報共有を行う」

ことにあると考えています。世の中のあらゆる仕事は決して一人で行えるものではなく、何かしらの形で他人と共同でなされるものです。つまりチームワークをもって仕事にあたる上で欠かせないものがコミュニケーションなのです。


消防におけるチームワーク
消防の現場活動について、参考になるリンクを貼っておきます↓


「消防の部隊活動」の下4行目に「各隊員間には円滑な連携活動のためのチームワークが欠かせない」とあります。

このチームワークを実現していく上で重要なものが隊員間の信頼であったりコミュニケーションであると私は考えています。特にコミュニケーションの面では、

隊員は隊長からの命令を的確に、素早く理解し消火作業にあたらなければならず、

また伝令要員は隊員間での情報共有を図るため正確かつ迅速に伝えていく

必要性があります。


上記のような「迅速、正確に話を理解する(伝える)」ことこそが現場において必要とされているコミュニケーション能力だと私は考えています。

このようなコミュニケーション能力を養っていくにあたり、普段の生活やアルバイトの業務では中々練習しづらいかと思われます。

しかし、平時であっても人の話を1回で理解しようと努めたり、相手がどのようなことを言いたいのか想像力を働かせながら聞いたり、あるいは相手が知りたい事を想像して話すことを通じて自然と消防の現場で通用するコミュニケーション能力が付くのではないでしょうか。





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