文章理解23弾ー「市民全体の奉仕者」であるために編ー

2022年10月21日金曜日

 

はしご車 城東L(東京消防庁 城東消防署)


文章理解(東消式)の第23弾です。おまけで漢字問題も用意していますので是非挑戦してみてください。

 

公務員の原点である「市民全体への奉仕者」についてどのように考えるか述べられた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(制限時間4分)

 

 

「市民全体への奉仕者」という言葉から、私は公務員として働くにあたり市民からの信頼を得られるように意識しなければならないと考える。理由としては消防業務の場合、防災訓練参加の依頼や消防車両の緊急走行時に道を譲ってもらうこと、また事業所にあっては防災訓練の計画作成や訓練実行等市民や事業者の協力を必要とする場面も多いからである。消防行政を遂行し災害に強い街づくりを実現するためにはこのような市民からのムショウの協力が必要不可欠である。逆に言えば、日々市民からの信頼関係を積み上げていくことが結果として市民や地域全体の利益へとつながっていくのである。ただ、一口に信頼関係といっても私は2種類の築き方があると考えている。1つは災害の無い平時に市民対応する際に構築していくこと、2つ目は災害時に市民からの期待にコタエルことで構築する方法である。

 


まずは平時からの構築について私は誠実な対応を行うよう心掛けたい。具体的には、いかなる時でも当庁の顔となってもいいように身だしなみから気を付けたい。また、平時においては市民の方々が署や出張所問わず様々な理由で来庁されることが予想できる。その際には自分の担当業務外のことであったとしても、すみやかな引継ぎや案内を率先して行うことを通じて来庁者をなるべくお待たせしない対応をとれるよう努めたい。これに関しては駅員のアルバイト経験で学んだお客様第一の心掛けが活かせると考えている。すなわち常に身だしなみに気を付け、自分で制服を手入れし駅の顔として従事すること及び様々な事情を持った方々に対するジンソクなご案内の心掛けを活かしていきたい。

 


次に災害時に市民からの期待に沿うため、私は常に自己研鑽や訓練を欠かさず実行し一日でも早く現場において消火や救急、救助の力となれるよう努めたい。具体的には体力錬成や日々の訓練、実際の災害対応で少しでも不得手に感じた部分があれば、それを克服するためにどのように行動するか考えることで目標達成へのステップを明確にするのである。そしてこの取り組みを通じ、まずは最初に配属されるポンプ隊にて一日でも早く一人前の隊員を目指したい。そして、まずは消火のプロとして市民の期待に沿うことで信頼関係を構築し、上述したように結果として市民全体の利益へと繋げられるよう働きたいと考えている。

 

1:下線部➀ムショウの漢字表記として正しいものを選べ。

➀無性

②務償

③務紹

④無賞

⑤無償

 

2:下線部②コタエルの漢字表記として正しいものを選べ。

➀答える

②応える

③堪える

④応たえる

⑤堪たえる

 

3:下線部③ジンソクの漢字表記として正しいものを選べ。

➀尽速

②甚即

③甚速

④迅即

⑤迅速

 

4:本文の主張として最も適切なものを選べ。

➀市民への奉仕者としてふるまうにあたって、駅員アルバイトで培った組織の顔として働く意識を活かしていきたい。

 

②災害時に市民の期待に沿う活動をするためには普段から自分で課題や欠点を発見し自分で克服していく姿勢が無ければならず、一日でも早く一人前になるという意欲が重要だ。

 

③市民への奉仕者として振舞うには市民との信頼関係が無ければ絶対に成り立たない。そのため公務員は所属する組織の顔として働く意識を持たなければならず、また従事する職務についてはプロ意識を持って臨まなければならない。

 

④市民への奉仕者としてふるまうにあたって2種類の信頼がキーワードになる。まずは自分が組織の顔として市民に対応する姿勢をもって市民との信頼関係を築くことを基本とし、そして自分で積極的に訓練に励むことで災害時に市民の期待に沿う活躍をもってさらに信頼を築いていくのである。

 

⑤「市民全体の奉仕者」という言葉はまさに市民からの信頼に沿う仕事を行うということに他ならない。例えば消防士として働くにあたって平時は組織の顔として、災害時は訓練で培った力を発揮することで市民の期待に沿うことが必要だ。

 

 

 


<解答>

1:⑤

2:②

3:⑤

4:➀(第2段落に記述あり。物足りない印象を受ける選択肢であるが、問題文の「最も適切なものを選べ」という指示に当てはまるものはこれしかない。)

※このように「最も適切なものを選べ」という指示を見かけたら落ち着いてすべての選択肢を読み、消去法で攻略していくことをお勧めします。

 

 

 

3段落に記述があるようにみえるが選択肢の中盤の「姿勢が無ければならず」が言い過ぎのため不適。そこまで強く断言している部分は本文中に無い。

 

③②と同様、「市民への奉仕者として振舞うには市民との信頼関係が無ければ絶対に成り立たない」とは断言していない。これはあくまで筆者の考えであり、一般的な事象として紹介している部分は本文中に無い。

 

23段落中に記述があるようにみえるが、平時での信頼関係を基本とするとはどこにも書いていない。あくまで文章中に出た順番であり、どちらを基本とするかは全く述べていない。

 

⑤②と同様、いわゆる言い過ぎ選択肢。「~に他ならない」とはどこにも書いていない。

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