【無料】文章理解第22弾ー公務員の不祥事リスク減少編ー

2022年10月15日土曜日

 

救助工作車 武蔵野救助(東京消防庁 武蔵野消防署)



文章理解(東消式)の第22弾です。おまけで漢字問題も用意していますので是非挑戦してみてください。


公務員の不祥事が組織や市民に及ぼす影響について述べられた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(制限時間4分)

 


公務員の不祥事が市民に与える影響として行政機関やそこで従事する職員への不信感の高まりが上げられる。仮に不祥事の発生元が地方自治体であった場合、市民が他の市区町村へ転出する動機を与えてしまう可能性もある。他の自治体への転出は税収減を招き、現状の行政サービスの質が維持できなくなることも考えられる。一方、組織への影響としては市民の協力を必要とする業務の遂行に支障をきたしてしまうことが考えられる。例えば消防の場合、初期消火や災害時の自助、共助体制の確立においては市民の協力が不可欠である。また、それらのシュウジュクを図っていくために各種防災訓練に参加してもらうよう市民へ呼びかけを行う場合もある。このように市民に対して無償の協力を求めていく際、不祥事による不信感があってはスムーズに業務を行うことが難しくなってしまう可能性がある。

 

このことから公務員の不祥事は組織全体にまで影響を及ぼす可能性を持ったものであることが分かる。この点が民間企業と異なる部分であり、公務員になるにあたって自覚をしなければならないことであると私は考えている。つまり公務員である以上、職務中であろうとなかろうと自分のとった行動は所属する組織や県や市区町村等の行政単位を代表するものだと常に考える必要がある。その為には常に自分を律していかなければならない。

 

ただ、公務員はどのような職種であっても組織で運営されている以上は自分だけ律していればいいというわけではない。組織に所属する全員が上記のような考えの下、不祥事に手を染めることなく日々公務に従事していくことが理想である。しかし、自分を律すると同様に他人にも規律を強要すると逆にキュウクツな職場となり、逆に不祥事を招きやすくなってしまうと私は考えている。そこで私はお互いを気に掛け合うこと、上司に相談しやすい職場環境の確立を対策として上げたい。具体的には他人について普段と様子が異なっていたり、仕事上の悩みを抱えていそうだと感じた場合はこちらから声を掛けることで問題を共有するのである。また仕事上においても正直に報告、連絡、相談することを徹底し、上司としてもその相談を何でも受け止める姿勢を見せていくことも重要だと考えている。自分を律することと、職場環境形成における2つの取り組みがなされれば職員一人一人が互いにコミュニケーションを深めることができ、悩みは一人で解決しない連帯感が生まれる。この連帯感こそ不祥事発生のリスクをテイゲンし、組織や市民への悪影響を抑えることができると私は考えている。

 

 

1:下線部➀シュウジュクの漢字表記として正しいものを選べ。

➀集熟

②修熟

③収熟

④就熟

⑤習熟

 

2:下線部②キュウクツの漢字表記として正しいものを選べ。

➀窮履

②窮屈

③吸屈

④汲屈

⑤窮堀

 

3:下線部③テイゲンの漢字表記として正しいものを選べ。

➀低現

②低限

③低減

④抵減

⑤抵限

 

4:本文の趣旨として最も適切なものを選べ。

➀不祥事を無くすためには相談のしやすい職場環境を整えるべきだ。そのためには上司は常に明るく、誰もがどのようなことでも相談できる性格でなくてはならない。


②公務員の不祥事は市民の不信感を招き、結果として市民が他都市へ転出することで行政サービスの維持が厳しくなるリスクが考えられる。


③不祥事を無くしていくためにはまず自分を律していくことが先決であり、それを基本とした上でお互いを気に掛け合ったり、上司に相談しやすい職場環境の構築に力を入れるべきだ。


④公務員は不祥事を無くすためにお互いを気に掛け合い、また仕事や同僚について何でも上司に相談できる職場環境を作ることが重要であり、同時に自分を厳しく律するよう努められる人物に適性がある。


⑤不祥事を無くしていくためには自分を律していくことが重要であり、一方で同僚に対する気遣いや声掛けも意識する必要がある。上司としては部下からの報告、連絡、相談を何でも受け止める気持ちを持つことが大事である。

 

 

 

<解答>

1:⑤

2:②

3:③

4:⑤(23段落に記述あり)

➀最終段落に記述があるようにみえるが、特定の性格について述べてはいない。

 

②不祥事が発生した際のリスクについての記述であり、本文の趣旨とは言えない。

 

2段落から3段落にかけて記述があるようにみえるが、律することと職場環境の構築に順序があるわけではない。あくまで本文に述べられている順番なだけであって、どちらが基本とされるとは記述が無い。

 

④ほぼ間違いない選択肢であるかにみえるが、最後の「人物に適性がある」の語句が余計である。ここでは公務員に求められる人物像については語っていない。選択肢を最後までしっかり読まずに解答する者をひっかける典型的な手段なので注意。

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