文章理解第21弾ールールやマナーの存在理由編ー

2022年10月11日火曜日

 

普通ポンプ車 谷中1(東京消防庁 上野消防署 谷中出張所)


オリジナル文章理解(東消式)の第21弾です。おまけで漢字問題も用意していますので是非挑戦してみてください。

 

ルールやマナーの存在理由について述べられた次の文章を読み、後の問いに答えよ。(制限時間4分)

  

ルールやマナーとは他人と場を共有するにあたって最低限意識しなければならない行動基準を示すために存在していると私は考えている。他人と場を共有するにあたり身勝手な行為が横行すれば社会は成立しなくなってしまう。現実世界だろうとインターネット上の空間であろうとそこに集う人々がなるべく平等に利益をキョウジュできるよう制限を掛けているのがルールやマナーであると私は考える。

 

ただ一口にルールやマナーといっても法律として存在し、強制力を持ったルールもあればレストランや電車内におけるマナー等従うか従わないかが良心に任されているものもある。ここで注意したいことは法律の規定がないことを理由にルールやマナーに従わなくてもいいのかということである。最近の事例として千葉県館山市のレストランでマスクをせずに入店した男性の例があげられる。居合わせた客にマスクをしていないことを注意され、暴れた結果逮捕された事例である。確かにマスクを着用しなければならないという法律はない以上、その義務もないため注意される筋合いはないように思える。しかし、このマスク着用はコロナカであっても安全に食事を楽しんでもらおうという意図で店側が設定したマナーである。確かに逐一マスクをしなければならないのは手間ではあるが、来店した方々に対して安全に食事してもらうという利益をもたらすための行動制限なのである。

 

このことから、いくら法律による根拠がないルールやマナーであってもそれが決められている以上はその場に集う人々の様々な意味での利益が考慮されていると考えられる。そしてそのルールやマナーに従わないということは自分以外の人々の利益を侵害することと同義であるといわざるを得ない。先述のレストランの例のようにルールを無視した自分勝手な行動をとったとしても一時的には満足できるかもしれない。しかし結果として逮捕されたように結局は自分の利益の幅を狭める行為でしかないのである。言い換えればルールやマナーによる少しの不自由に従うことが逆に自分が得られる利益の幅を広げることにつながってくるのである。私はこれから社会人になるにあたり、先生がいた学生時代と比べて自分で考えて行動しなければならない機会が確実に増えることが予想できる。自分で自分の行動を決めなければならない分、自由に行動できると考えがちである。しかし社会の様々な場所にはそこに集う人々の利益を調整するためのルールやマナーが存在する。法律はもちろんであるが、このようなルールやマナーも多少の不自由は承知の上でジュンシュを心掛けたい。そして自分の所属する組織を背負う社会人としての行動基準の一つとしていきたい。

 

 

1:下線部➀キョウジュの漢字表記として正しいものを選べ。

➀享受

②興受

③経受

④共受

⑤協受

 

2:下線部②コロナカの漢字表記として正しいものを選べ。

➀コロナ過

②コロナ架

③コロナ渦

④コロナ禍

⑤コロナ迦

 

3:下線部③ジュンシュの漢字表記として正しいものを選べ。

➀純守

②順守

③準守

④巡守

⑤淳守

 

4:本文の主張として最も正しいものを選べ。

➀千葉県館山市でのレストランの事件のように、マスクをせずにレストランに入店することは周囲の客に感染リスクをもたらすことなのでマスク着用のルールがある場合は従うべきだ。


②現実社会であろうとインターネット空間上であろうと人々が集まる空間は必ずしも全ての事項が法律で規制し尽せるとは限らないので、それを補う形でルールやマナーが作られている。


③法律によってカバーできない部分を補うのがルールやマナーであり、法律と同様に守れない場合は他人の利益を侵害しているとみなして処罰されるべきだ。


④ルールやマナーとは同じ場に集まる人々が平等に利益を受け取るために設定されているものであり、多少不便であったとしてもそれらに従う必要がある。


⑤法律による根拠がないルールやマナーであっても社会人として行動していく以上は他人への尊重の意思を見せるためにも守らなければならない。

 

 

 










<解答>

1:➀

2:④

3:②

4:④(第1段落と最終段落に記述あり)

➀:レストランの件は具体例として述べられているものであり、主張ではない。

②:記述無し

③:一見2段落目に記述があるが、「処罰されるべきだ」とまでは言っていない。いわゆる言い過ぎ選択肢。ひっかけの常とう手段なので注意

⑤:最終段落に記述されているようにみえるが、③と同様「守らなければならない」とまでは言っていない。ひっかけ選択肢なので注意。

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