東京消防庁H14年度Ⅱ類 「あなたが今までに最も努力してきたことは何ですか?その努力は今後の人生にどのように活かされると思いますか。」

2022年9月3日土曜日

 

明治通りを緊急走行する特殊救急車(トライハート)


東京消防庁H14年度Ⅱ類

 

あなたが今までに最も努力してきたことは何ですか?その努力は今後の人生にどのように活かされると思いますか。

の解答例、解説記事になります。

まずはヒント編を読み、論文を書く練習をしてみてください。

 

 

<ヒント編>


論題分析・構成

今回の論題はシンプルであり、問いかけの順番通りに論文を構成していけば問題ありません。

すなわち

 

「今までに最も努力してきたこと」

「その努力は今後の人生にどう活かせるか」

 

の構成です。逆に言えばこれら以外のことは一切記述する必要がありません。記述した時点で字数稼ぎとみなされ減点される可能性があります。

 

 


②「最も努力してきたこと」とは・・・

今まで生きてきた中で努力した思い出が一切思い当たらないという方もいるかもしれません。そのような時は発想を変え、

「今までで大なり小なり苦労した経験」

を思い出しましょう。

何かしらの物事に対処するにあたって当初は悩んだり迷ったり、失敗した経験を思い出し、それが次第に問題なくスムーズに対処できるようになった経緯があれば最適です。

 

 


③本音と建前(建前をうまく使う)

「最も努力したこと」を聞いているといっても出題者は受験者の大半は社会人経験の無い学生であることは重々承知しています。

 

大した経験がアピールできなくとも、②で見たように何かしらの苦労した経験があってそれを乗り越えるために努力を行った経緯を建前をうまく使いながら論理的に説明できればこの手の問題は楽に解答できるはずです。

 

もちろん全くのでっち上げや嘘はいけませんが、社会で生きていくためには本音と建て前をうまく使い分けて要領よく生きていくことが重要だと私は考えています。

 


④「今後の人生」とは

問題文後半の「今後の人生にどう生かせるか」についてですが、これは

「社会人としてどのように活かしていきたいか」

と言い換えられるといっても過言ではありません。

社会に出ればサラリーマンとして一日の大半を仕事に費やすことになります。


よって


「最も努力してきたことを活かす」シーンはおのずと仕事関係の場面になる


といっても過言ではありません。

 

このことから逆算し「最も努力してきたこと」の経験を選ぶ際には得られたものが仕事でどのように活かせるかまでを想定して選ぶ必要があります。

 

⑤練習

ウォーミングアップが終わったところで実際に論文を書く練習をしてみます。以下の各項目をそれぞれ150字程度で埋めてみてください。

 

「今までに最も努力してきたこと」約150

(※経験の大なり小なりは気にしない。建前をうまく使って論理的に記述する。)

 

「その努力は今後の人生にどう生かせるか」約150

(※社会人として仕事のシーンでどのように活かせるか記述すること。)

 

 

<解答例> 

私が今までに最も努力してきたことは自分で考えて行動する癖を身に付けることだ。その癖を身に付ける必要があると思い至った経験として学生時代に打ち込んだ空手サークルでの経験がある。具体的に言うと空手の昇級審査受験に関することであるが、昇級審査を受験し不合格であったとしても師範の方々からは具体的な改善点指摘やアドバイスはもらえない。また上級生も自身の昇級や昇段に忙しく、いつも私たち後輩の面倒を見られるとは限らない。サークルに加入した当初、物事は常に誰かに教わって当たり前という感覚を持ち合わせていた私は現実との格差に衝撃を受けたことを今でも覚えている。

 

つまりある程度の基本的なことは教えてもらえるが、そこから先は自分で探求および改善していく姿勢の重要性を思い知らされたのである。少しでも早く昇級し、試合への出場権を得るためには自分で課題や足りないものを見つけ、次回の審査までに改善しなければならない。私はサークル練習後はなるべく新入生全員で自主練習を行いお互いに欠点や課題を指摘し合うことを決めた。また、その欠点や課題を克服するための練習方法を各自で考え合うことも取り入れた。実際にその取り組みを行ってみたところ、自身では気づかなかった欠点や、間違った思い込み、参考になる他人のいい所等が把握でき、またそれらを新入生全体で共有することもできた。まさに、自分で考えて行動した結果が自分自身のみならず新入生全体へいい影響を及ぼすことができたということである。

 



そして、我々の学年が上がるごとに合宿プランの策定や練習メニューの考案、サークルへの勧誘方法等、先輩方から任される仕事も徐々に増えてきた。その際私をはじめ、かつて昇級を共にした仲間達とは基本的に自分達で考えてプランを作るという立場をとった。ただ、過去の先輩方が積み上げてきたマニュアルや記録を参考にすることはあったが、最初から先輩方にどうすればよいか聞くことはしないとのスタンスで何事も取り組む姿勢を守る努力を行ってきた。大学4年を迎えた今、この空手サークルでの経験と自分で考える努力の積み重ねは非常に良い経験になったと思っている。

 

学生生活を卒業し、社会人として生きていく上でも自分で考えて行動することは非常に重要であると私は考える。なぜなら社会人にとって学生時代における先生のような存在はいないからである。入社時に上司や教育担当のスタッフが基本的な事項は教えてもらえるが、それが永遠に続くわけではない。上司には自身に任された仕事を行う傍ら教育や面倒を見ている。つまり教育自体が上司のメインの仕事ではないのである。そのような状況を考え、一日でも早く組織の一員として戦力になっていくためには教えられたことを基本に、自分で考えて行動や仕事に移していくことが重要であると私は考えている。その意味でも私が空手サークルで経験したことは今後の人生において十分に生きると考えている。

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