【無料】文章理解第17弾ーインターネット使用率から考える行政の情報発信編ー
荏原消防署 (東京消防庁)
オリジナル文章理解(東消式)の第17弾です。おまけで漢字問題も用意していますので是非挑戦してみてください。
以下の文章は各年代のインターネット使用率のグラフを元にした行政の情報発信方策について書かれたものである。本文を読み、後の問いに答えよ。
(※資料は省略)
まず利用率の資料から読み取れる傾向は2つある。1つ目は13~59歳の9割以上が利用していること、2つ目は60歳以降の世代で利用率が年齢を重ねるごとに➀キョクタンに減っていることである。次に使用目的別の資料においても2つある。1つ目は6~19歳までは娯楽目的に、2つ目は20~59歳まではメールの送受信や天気予報、ニュースの確認等おそらく仕事目的に使っていることが予想できることだ。以上の傾向から世代ごとに利用率や使用目的にそれぞれ異なる特徴があるため、それに合った方法で情報を都民に周知していくのが望ましいと考える。
まず6~19歳と70歳以上の世代についてはインターネットを使った情報周知は効率が悪い。理由としては先述したように子供たちは娯楽目的で、高齢者はそもそもインターネットをあまり使っていないことがグラフから読み取れるからだ。娯楽目的でインターネットを使う子供がピンポイントで行政機関のページを訪れるとは考えにくく、また高齢者向けにインターネット上で情報を流しても届かないかもしれないのである。そこで私は子供達や高齢者用の情報媒体として広報紙の活用を上げたい。例えば東京消防庁の広報誌としては「広報とうきょう消防」が発行されているが、こちらにあえて彼ら向けに特化したデザインのものを用意するのである。具体的にはアプリを開くQRコードやユーチューブチャンネル、東京消防庁ホームページの案内等インターネットが絡む要素を極力減らし、その代わりに文字を大きくしたりイラストを多めに配したシンプルな紙面を作るのである。さらに、長期間にわたって②ジハツテキに読んでもらえるよう例えば巻末に次号の予告を入れたり、一つの特集を何号かに分割して連載していく手段もよいだろう。
次に40~69歳の世代に対してはニュースサイトと提携することを上げたい。具体的にはまず行政側が発信したい情報を含んだ記事をあらかじめ作成しておく。そしてなるべく都民の目に留まるようサイトの東京都内ニュースに分類されている記事に関連情報として載せてもらうのである。例えば災害に関するニュースであれば防火防災に関する記事を関連して紹介してもらう要領である。メインニュースの関連にこだわる理由としては、どの世代でも閲覧しているコンテンツの中にいきなり無関係の情報が入っていても即座にスキップしてしまう傾向があるからだ。これを踏まえると、メインニュースとりわけ東京都内のニュース記事に関連する情報として紹介し、興味を持たせた上で閲覧へと誘導していくことが重要になってくると考える。
以上、行政が発信する情報を周知する対策を上げたが、注意したいのはこれらの対策は今の時代にのみ有効なものであることだ。今後少子高齢化が進行し、インターネットの使用に抵抗がない世代が高齢者になればグラフの形もまた変わることが十分予想できる。行政側としては傾向を③チュウシし、今後も時代に合った情報発信方法を検討し続けていかなければならないと考える。
問1:下線部➀キョクタンの漢字表記として正しいものを選べ。
➀曲端
②極端
③極短
④曲短
⑤極段
問2:下線部②ジハツテキの漢字表記として正しいものを選べ。
➀自初的
②事初的
③自発適
④事発的
⑤自発的
問3:下線部③チュウシの漢字表記として正しいものを選べ。
➀注視
②注志
③抽視
④注支
⑤中視
問4:筆者の主張として最も適切なものを選べ。
➀グラフに表れている統計結果は現在の時代の傾向であるため、今後の人口形態の変化を踏まえて時代に合わせた情報発信を検討し続けていくべきだ。
②70歳以上の世代はインターネットをあまり使用しないので、彼らに情報発信する際はそれを使ってはならない。
③世代ごとにインターネットの使用率や用途に特徴があるため、インターネットに限らず広報紙も使った上で興味を引くような柔軟な情報発信を行うべきだ。
④情報を発信するにあたって文字を少なく、イラストをふんだんにレイアウトした広報紙を使えば高齢者や子供達にも興味を持ってもらいやすくなるはずだ。
⑤40~69歳の世代は仕事目的でインターネットを使用している傾向がある。そのため、興味を持ってもらえるようニュースサイトの記事に関連する形式で行政機関が発信する情報を紹介してもらうべきだ。
<解説編>
問1:②
問2:⑤
問3:①
問4:③(1,2,3段落の記述が端的にまとまっている)
問題文にあるように「最も」適切なものを選ぶ必要がある。選択肢の記述は本文に書かれているが、ほかの選択肢と比較して一番適切なものを慎重に選びたい。
➀:最終段落に記述がみられるが情報発信の策についての主張ではない。
②:2段落前半に記述があるが、「使ってはならない」とまでは言っていない。
④:確かに2段落後半にみられる主張ではあるが、③と比較すると「最も適切」とは言えない。
⑤:3段落に記述がみられるが③と比較すると「最も適切」とは言えない。
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