トリアージとはー横浜市消防局の訓練よりー

2020年9月23日水曜日

 

トリアージとは・・・

消防を目指す者であれば一度は聞いたことがある言葉かと思います。簡単に言うと事故やテロなどで発生した多数の傷病者を順位付けし、優先度が高い者から救出救護を行っていく活動要領のことです。この順位付けに際しては高いものから順に赤(重症)黄(中等症)緑(軽症)黒(死亡)4つの色が使われています。

 

今回は横浜市消防局が昨年度行ったトリアージ訓練を参考にし、どのような手順で活動が進んでいくのかを見ていきたいと思います。

 

 


―訓練開始(初動対応)―


バスと乗用車(画像左側)が正面衝突した想定で訓練が始まりました。画像中央で横たわっている人形は事故の衝撃でバスから飛び出てしまった重傷者という設定です。先着したポンプ隊がバスと乗用車内の状況を確認しています。この時に車両火災を防ぐためバッテリーを切る作業も同時に行われています。

 

 

―救急隊の到着と軽症者(緑)の移動―


救急隊が到着し車外に飛ばされた重傷者を救護している間、ポンプ隊が軽症者を車外へ誘導する

 




軽症者の手首にトリアージタグが付けられる

 

 

―指揮隊の到着と赤(重症)黄(中等症)の救出開始―



指揮隊が到着し、現場指揮本部とトリアージマットの設定が行われる。

(※指揮隊:災害現場において活動する全ての部隊を指揮したり指令室とのやり取りを行う部隊。)

 

YR(能見台特別救助隊)も到着し傷病者の搬出に加勢する
(※YR:横浜消防特別救助隊"横浜レンジャー"の略。特別高度救助隊はSR"スーパーレンジャー"と呼ばれる。)

 

優先度の高い赤色から救出され、黄色も徐々に並び始める



 YMATの到着、救命処置にあたる

(※YMAT-ワイマット-:横浜市内の病院に勤務する医師や看護師等で構成される救急医療チームのこと。横浜市消防局指令センターからの要請で出動する。)



 

―緑(軽症者)の応急手当て・訓練終了―

赤と黄色の対応が終了。最後に緑(軽症者)の手当てへ移る

 

緑の対応を終え、訓練終了となる。

 

 

―おわりに―

率直な感想としては、速やかな救出のためすべての作業が同時並行的に行われていたことが印象に残りました。

 

例えば

先着のポンプ隊(以下ポンプ隊)がバスと乗用車内の怪我人の状況を確認すると同時に車両火災を防ぐためバッテリーを切ったり

 

ポンプ隊が軽症者を車外に誘導すると同時に救急隊が車外に飛ばされた重傷者を救護したり

 

指揮隊の指示の下、ポンプ隊や特別救助隊が赤と黄色をトリアージマットへと移動する中でYMATが医療処置を行ったり

 

といった場面です。そして騒然とする現場の中で消防関係者やYMAT合わせて約50名近くの人員が人命救助の訓練に一丸となって取り組んでおり、部隊や組織間での情報共有や仲間とのコミュニケーションの重要性が強く感じられました。


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