某市の消防署にて救命講習を受講したときの話
消防の仕事の中でも救急に興味があった私は、応急手当の知識を身に付けること及び、実際に救急隊員がどのように市民にレクチャーしていくのかを観察する意味も兼ね救命講習を受講した。
――講義の様子――
まず、救命講習を受講した人数は私を含めて6名であった。具体的には50代後半の男性と女性が1名ずつ(夫婦ではない)、30代のサラリーマン風の男性が2名、中学生か高校生と思われる女子学生が1名、そして私である。
20名は収容できそうな部屋において参加者の6名と講師の救急隊員1名で講習は行われた。私としては少々寂しい感じもしたが、後で聞いてみたところ毎回このぐらいの人数だそうだ。
講義の進行としては
1:座学(バイスタンダーによる救護の大切さをビデオで見る。その後、救命手順の概要や要領をテキストを用いて確認、チェックしていく)
休憩
2:実技(ダミー人形に心臓マッサージやAED、人工呼吸を行い応急手当の手順を確認)
3:講師からの講評(応急手当の大切さ、いざという時にそれを実践する勇気を持つことといったアドバイスを10分ほど)
の3ステップで行われ、所要時間はおおよそ3時間であった。
――私が感じた課題点――
講習自体は講師の方の説明が非常に分かりやすく、実技のステップにおいても分からないところがあればすぐに教えてくれたため十分満足できるものであった。
しかし、参加者の身体能力の差による課題も感じられた。
具体的には50代の女性は複数にわたる救命手順を中々覚えることができず、傷病者発見から救護開始、救急隊員への引継ぎまで他の参加者よりも時間がかかってしまっていた。
また女子学生の方は力が弱いためか、意識確認の際の肩叩き※1や心臓マッサージ※2といった力がいる工程に苦戦していた。
(※1傷病者の意識を確認する際に呼びかけと並行して行われる。1,2回目は軽く、3回目は思いっきり叩く。)
(※2傷病者の意識がない事を確認したのち行う。30回押し、呼吸確認までを1セットとし、他の人がAEDを持ってくるまでノンストップで行う。)
50代の男性においては足が悪かったのか、しゃがむ動作を伴う工程で終始つらそうな表情をしていた。
私は応急手当の手順をこなしていくにあたり、個人の身体的な能力がハンデとなるケースがあることを知った。もちろん応急手当は1人で全て行うものではなく、他の人に119番への通報やAEDの搬送を手伝ってもらうよう呼びかける手順も決められている。
しかし、上記で見た例のように身体的能力により必ずしもスムーズに救命手順が踏めない方もいる。そのため、救護の現場を目撃した際には何かしら手伝えることを探し、積極的に関わっていく気遣いも大事であると感じた講習であった。
また、そのような気づかいを含めて応急手当法として講習で伝えていくことも消防にとって重要ではないだろうか。
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