情報共有の必要性についてあなたの経験と実績を踏まえて、考えを述べなさい

2017年7月27日木曜日

二本榎出張所(東京消防庁 高輪消防署)

東京消防庁H24年Ⅰ類1回目


「情報共有の必要性についてあなたの経験と実績を踏まえて、考えを述べなさい」

の解答例です。時間がある方は解説編もどうぞ。



<例文編>
 仕事において情報共有が必要とされる理由は、仕事をこなすにあたりチームワークを発揮するためであると私は考えている。組織において仕事をする際、所属する個人は各々何らかの役割を持ち、その役割をこなすことで組織全体が結果を出すことに貢献する。ただ、役割があるとはいっても個人が何のために、あるいはどのように役割をこなせばよいのか組織全体で情報が共有できていないとチームワークの無いまとまりを欠いた組織と言わざるを得ない。

 私は大学3年次、空手サークルの部長を務めていた。その年の夏、1週間の夏合宿を行うことになった際私がリーダーを務めることとなった。宿泊施設においては1週間3食全て自炊しなければならず、また風呂の準備や洗濯も自分たちで行わなければならなかった。このことは事前に把握しており、合宿前にて数回のミーティングを通じて1年生から3年生まで全員に周知され、各々の役割や動きも事前に決められていた。このように事前に徹底した周知がなされている以上、合宿が始まったとしても役割に基づき皆が自然に動いてくれるだろうと考えていた。
 
 しかし、実際に合宿が始まると稽古による疲労のため居眠りをしてしまい任された仕事ができなかった者、友人たちとの会話に夢中になり仕事自体を忘れていた者、食材の買い出しに向かう途中で道に迷う者等サークルとして非常にまとまりの無い初日になってしまった。このことを重く見た私は、就寝前にミーティングを開き反省会を始めた。議題としては、今回のチームとしてのまとまりの無さ、個人の認識の欠如をあげた。翌日からは積極的に役割をこなしてもらうこと、余裕がある際は周りの者に声掛けをし手伝ったり注意し合うことを認識してもらった。また、私としても思い込みをすることなくメンバーに指示を明確に伝えたり、全体の進行具合を掲示板に張り出しメンバー全員が情報を共有できるよう努めることを決意した。この結果、翌日からは全員が自身の役割に基づき動いてくれるようになり、またメンバー同士で声を掛け合うことで不注意やミスが防げたり互いに助け合う雰囲気が出来上がった。また、私からの指示や掲示板に張られた進行具合表のおかげで次に何をすればよいか分かりやすくなったとの意見ももらった。このようにして翌日以降は非常にスムーズかつチームとしてのまとまりを保ちつつ合宿を乗り越えることができた。

 私はこの経験から、チームにおける情報共有の必要性を学んだ。チームにおいて物事にあたる際、人数が多ければ多いほどそれが重要になってくる。その時に事前に周知したから大丈夫だろう、きっと各人は役割を全うしてくれるだろう等といった思い込みをしてはならない。おせっかいかもしれないが、指示者はメンバーに対して常に積極的にかつ明確な指示を出し情報共有しなければならない。また、メンバー間においてもおせっかいかもしれないがお互いに積極的な声掛けやコミュニケーションをとって不注意やミスを防いだり、助け合うことが重要なのである。情報共有していくにあたり、思いこみを防ぐためにもわたしはこのようなおせっかいこそが重要であると考えており、これからも仕事をする際は意識していきたいと考えている。

<解説編>
構成としては

1段落にて情報共有の必要性について述べ、
2,3段落目で情報共有に関する体験および実績を述べ、
4段落にてまとめ、情報共有に関する考え

の構成となっています。


●ポイント1:情報共有する必要性
本文でもふれましたが、情報共有する理由としては組織が一体となって物事にあたる際にチームワークを発揮していくためです。

組織に所属する個人個人が組織全体の目標や、仕事における意識等を共有することで自分があたかも組織の手足となり、自身の仕事や役割を通じて組織全体が結果を出していくことに貢献するためです。

そこで、構成員が組織としての目標、メンバー間での役割分担について情報共有できていないと本文での例のように非常にまとまりの無い組織になってしまいます。例の中では合宿中の役割分担については事前のミーティングで周知されていたとあります。

しかし、実際に合宿が始まってみると諸事情によりメンバーが役割を全うできていなかったり、部長においてはメンバーは自身の役割を全うしてくれるだろうと思いこんでいることが分かります。

これがまさに情報共有できていない例です。

このような事態を防ぐためにも情報共有は大事なのですが、ではどのようにして情報を共有していけばいいのでしょうか。

私としてはやはりコミュニケーションが必要であると考えています。

ここでいうコミュニケーションとは友達とのおしゃべりではなく、仕事を行う上での意思疎通のことです。職場における意思疎通を活発化させる概念としてアサーションというものがあります。


アサーションとは

相手を尊重しつつも自分の主張を発信していく

コミュニケーションのことです。仲間内でアサーションに基づいたコミュミニケーション及び声掛けを行っていくことで活発な意思疎通や円滑な情報共有がなされ組織としてチームワークが発揮できるのだと考えています。


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